オンラインインテリアビジネスニュース

ログイン・登録 PC版

本紙紙面

2025年3月11日
【2025デザイントレンドレポート】前編
3展示会からデザイントレンドを考察
キーワードは「懐かしさ」と「不完全さ」
レポート 越川洋平氏((株)オーブインターナショナル代表)



heimtextil

 一年振りに訪れたフランクフルトの街。エネルギー価格の高騰やそれにともなうインフレの影響なのか、日本で思っているよりも遥かに不況感が漂っていました。やはり戦争の影響が大きいようですね。そんな中でもハイムテキスタイルは、あくまでも肌感覚ですが、昨年並み位の賑わいはみせてくれていました。



 ホールを回ってまず感じたのが、全体にムラのある仕上げや手描き風のタッチが増えたこと。昨年も多く見られたけどさらに増えた印象です。そんな中でも目についたのが、まずはこちら(①)。大手のエディターが抜けたこともあって、ひと際存在感を増したイギリスのAshley Wilde社。その中の高級ブランド「KAI」は、日本語のOSHIBANAと名づけたコレクションをリリース。ISHIと名付けられたこの生地は、幾何学柄と無地の間をいく、ありそうでなかなかない柄で、ランダム感も印象的でした。同コレクションの代表柄はこちらの花柄なのだけど、こういった太番手の糸で刺した刺繍柄も今年多く見られました(②)。それとすっかり同社の人気シリーズに定着したウイリアムモリスのコレクションでは、カットベルベットの椅子張りが印象的(③)。単独でも存在感があるし、こうやってモリスのプリントとも合わせられる、ちょうど良い柄の具合がヒットを予感させました。

 ランダムなミックスカラーのセミプレーンでは、特にこの生地が目につきました(④)。ベルギーのbmfabrics社のものですが、同社は落ち感が良くてしなやかな無地調の生地が多く、これもまさにドレープ性が美しい生地。それと同社のブースもそうなのだけど、カーテンの展示の多くはこのようなウェーブスタイルで吊られていました(⑤)。日本でも増えつつあるスタイルですが、生地の落ち感の良さが絶対に必要なスタイルです。ほとんどの日本の生地では対応が難しいので、日本のメーカーさんにも展開をお願いしたいところです。







 年々洗練されて魅力度が増しているギリシャのSARLAS社。今年の注目は、クラシカルな鳥の柄をビックスケールで、しかも織りで描いたこちらの生地(⑥)。いや~、このスケール感には驚きました。しかもバックカットの手法を用いているのもあって、非常にしなやかなドレープ性も良い感じなのです。こんな感じで、クラシカルなモチーフのスケールを変えて新鮮に見せたり、ノスタルジックなデザインが多く見られたのですが、近年再びゴブラン織りに注力しているポーランドのDEKOMA社は、今年も魅力的なゴブラン織りを見せてくれていました(⑦)。

 久々に出展されたというNEED‘Kは、ホール間のホワイエに特別展示(⑧)。日本の高い織りの技術は、世界のファッションブランドに多く採用されているのだけど、インテリアでも多くの国の人たちに知って欲しい、という目的で出展されたそうです。バーバリーやジルサンダーなどに採用された特徴的な生地たちは、ファッションショーの動画と共に紹介されていて、非常に高い注目を集めていました(⑨)。

前へ 1 2 3
戻る


トピックス

本紙紙面

アクセスランキング

  1. 「第44回 JAPANTEX 2025」閉幕 来場者数は8411名
  2. LIXIL 近畿大学と窓断熱改修による健康・経済効果の研究論文発表
  3. スミノエ 東京宝塚劇場に緞帳を納入
  4. 国交省 改正建設業法の説明会を12月より全国各地で順次開催
  5. サンゲツ フィリピン「マプラン・ルパ住宅建設プロジェクト」に貢献
  6. コクヨとアクタス協業ブランド「HOW WE LIVE」シドニーに常設店舗開業
  7. 「第44回 JAPANTEX 2025 INTERIOR TREND SHOW」開幕
  8. DIC 2026年カラートレンド「DIC-2461(ソフトなピンク)」提案
  9. リビタ 区分マンション買取再販事業を新ブランド「icco icco」に再編
  10. サンゲツ 各種施設向け床材見本帳「2025-2027 S FLOOR」12/11発刊

IBNからのお知らせ

資料請求・お問い合わせ

©有限会社インテリア情報企画