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2025年11月26日
LIXIL 近畿大学と窓断熱改修による健康・経済効果の研究論文発表


年代別の平均的な生活スケジュールをシミュレーションに導入

 (株)LIXILは、近畿大学生物理工学部人間環境デザイン工学科 准教授・博士(工学)藤田浩司氏と、住宅の断熱改修が居住者の健康状態と経済状況に与える効果について、2023年より共同研究を実施しているが、このたび年代別の平均的な生活スケジュールや行動パターンのデータをシミュレーションに導入することで推定条件をさらに精緻化し、その研究結果をまとめ、論文を発表した。

 これまで、推定に用いる生活スケジュールは、国の基準解説書に掲載された「世帯主46歳、配偶者44歳、子供16歳・14歳」の家庭を想定した固定モデルを、すべての年代に適用していた。そのため、定年後の在宅時間の増加や、子供の独立などライフステージの変化が反映されていなかったが、今回年代に応じた生活スケジュールと世帯構成を新たに作成し、温熱環境シミュレーションに反映することで、より実生活に近い条件での推定を可能とした。

 年代別にみると、戸建て住宅、集合住宅ともに、窓リフォームによる削減効果は、夫婦50代・子供10-20代2人の4人世帯より、夫婦60代の2人世帯の方が大きい結果となった。これは、世帯人数が減少する事による暖冷房費や医療費の低下よりも、年齢増加による医療費上昇の影響が大きいためと考えられる。

 また集合住宅は、隣接する住戸の影響で、戸建て住宅より温度変化が小さく、暖冷房費・医療費・薬剤費ともに少なくなるため、窓リフォームによる削減効果は戸建て住宅のほうが大きくはなるが、戸建て住宅と同様に、集合住宅も夫婦60代の2人世帯の方が、削減効果が大きい結果となった。

 以上を踏まえると、窓リフォームによる経済効果(暖冷房費・医療費・薬剤費)は、必ずしも世帯人数が減ると小さくなるわけではなく、居住者の年齢や住まい方が影響することが明らかとなった。

 LIXILと近畿大学はこれまで、窓の断熱改修が暖冷房費だけでなく医療費や薬剤費の削減にもつながる可能性を示してきた。今回の研究では、年代別の生活スケジュールのデータを取り入れることで、ライフステージや世帯構成の違いを反映した、より実生活に近い分析が可能となった。
 



■藤田 浩司准教授のコメント



 住宅の断熱性能が低く冬に低温となる屋内環境は、そこに暮らす人の健康に良くないことが様々な研究から明らかになっています。

 私たちは、多くの方に断熱の大切さをわかっていただけるように、断熱性能向上による健康効果を医療費で表す研究を進めています。

 日本にはまだまだ断熱性能が低い住宅が多いため、この研究が断熱性能の向上、健康に暮らせる住宅の増加につながることを期待しています。

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