昨年のトレンドエリア
今年で30周年を迎える「インターテキスタイル上海ホームテキスタイル」(会期:8月14日(水)~16日(金)/会場:中国・上海国家会展中心)。30年の歴史の中で、世界でのホームテキスタイル業界において存在感を高めてきた。
その過程において注目度が高まっているのが中国発のテキスタイルトレンド提案である。「インターテキスタイル上海ホームテキスタイル」では、毎回欧米のデザインスタジオと共同で中国国内、および国際マーケットを念頭においたトレンド提案を行ってきた(過去にはネリーロディーも参画している)。
30周年となる今回のトレンド提案は、今年のハイムテキスタイルトレンドも手掛けたデンマークのデザインスタジオ「SPOTT」(Anja Bisgaard Gaede,CEO)が行う。
トレンドブック表紙
そのトレンドテーマとなるのが「HEALING HOME」。これは住む人々の癒やしを促進させるライフスタイルを提唱する概念で、テキスタイルが単なる装飾的な要素にとどまらず、人々が幸福を感じるための重要な要素であるということを示している。インテリアテキスタイルはどんな空間も聖域に変え、平和と活力を促進させる、そんなテキスタイルの可能性を追求した壮大なコンセプトとなっている。
「HEALING HOME」を実現させる具体的なカテゴリとして、次の8カテゴリが提示されている。
・AGE-OLD CRAFTS
(古くから伝わる工芸品)=竹や麻、バナナの皮などの素材で編み込み、刺繍などで製作したテキスタイル
・REGENERATIVE POSSIBILITIES
(再生可能性)=菌糸体、食品生産後の皮や貝殻、農業廃棄物を利用したテキスタイル
・BIO-ENGINEERED INNOVATIONS
(生物工学によるイノベーション)=バクテリアプロセスなどでつくられたバイオテキスタイル
・COLOURFUL GATHERINGS
(カラフルな集まり)=コットン、ウール、ビーガンレザーなど。タータンチェックやストライプなどノスタルジックなデザイン
・CIRCULAR SYSTEMS
(循環システム)=リサイクルポリエステル、再生プラスチックを活用したリサイクルテキスタイル
・NATURE-TECH SYNERGIES
(ネイチャーテクノロジーの相乗効果)=自然素材とテクノロジーを融合した機能性テキスタイル
・WELLBEING SPACES
(健康的空間)=ふんわりとしたソフトタッチなテキスタイル。超シンプルな無地柄
・TRANSITIONAL PRACTICES
(移行期の慣行)=透明ながら光をフィルタリグするような新たなテキスタイル
またカラーについては、感情や気分を高めるようなものを選定、気分を高揚させるオレンジ、リラックスさせるパステル系、集中力を高めるグリーンとブルーなどが提案される。
カラーパレット
以上のように、ハイムテキスタイルを引き継ぎ、サステナブルを強く意識したトレンドとなっている。
ハイムテキスタイルから半年以上、最初にトレンドが発表されてから1年以上経過した中で新たに提案される「HEALING HOME」。ハイムテキスタイルトレンドの発展版、さらには次回のハイムテキスタイルトレンドの先行版として価値のある情報となるのではないか。
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