カーペットはすばらしい(表紙)
本州は梅雨の真っ只中。雨が降り続くのはうっとうしいなぁと思いますが、日本人にとって大切なコメをつくる際には欠かせません。災害級の雨が降らないことを祈りつつ、もう少しの間、ガマンしましょう。
さて、この時期、カーペット関係者の心配事の1つが、ダニに関連するマスコミ報道です。実際にあった例として、床のダニ対策をテーマとしたテレビ番組で、カーペット内部にダニがウヨウヨしている気持ちの悪い映像が流れ、その後に登場するダニ研究者がダニアレルギーの危険性について説明する……まさに、「カーペット=ダニアレルギー」というイメージを視聴者に刷り込むエゲツナイ内容です! こうした放送等があるたびに、私たちは抗議文を送ってきました。
ここで改めてIBN読者の皆様にお伝えいたします。カーペットとダニアレルギーの関連性は非常に薄いものです。それを証明する調査研究や資料は数多く存在します。
その1つ、兵庫県の西宮市環境衛生局が平成2年にまとめた「ダニアレルギー調査報告」では、「ぜんそく発作の誘発は、寝室を含めて床のダニ数との関連はあまり認められず、使用している寝具類のダニ数がぜんそく発作に大きく関連していることが傾向として認められる」と結論づけているのです。
さらに調査総括として、「(ぜんそく患者のいる家庭でカーペット、畳などの床材を)フローリング、コルク等、フラットな材質に改造することは、好みの問題であっても決して疫学的に積極的意義のあることではない」とまとめられています。
また、某アレルギー関連団体が発行する喘息治療ガイドラインで以前は「(ダニアレルゲン回避策として)じゅうたん、カーペットは敷かない」とありましたが、2023年秋の最新版からはそうした記述が削除されました。代わって、「床の掃除機がけは少なくとも3日に1回は丁寧に実行」との記述が入りました。つまり、ダニアレルギー対策に床材の種類は関係ないということです。掃除の重要性については、ダニ学者・五箇公一氏も次のように指摘しています。
「カーペット、フローリングのどちらがいいとかではなく、どちらも掃除が必要です。結論としては、それ以外何もありません。ゴミを減らして、ダニを増やさないようにすることが究極的なダニ対策です」(当組合によるインタビューより)。
(日本カーペット工業組合事務局)
【お知らせ】
冊子「新訂カーペットはすばらしい」はPDFファイルで公開しています(無料でダウンロード可能)。
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