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本紙紙面

2024年11月11日
【特集 ハイムテキスタイルトレンド2025】南村弾氏に聞く
6者のテキスタイルに対する考察とは
過去・現在・未来の布の在り方を語る



⑤Simone van der Burgand Lucas Evers

 アムステルダムを拠点とする国際的研究所「WAAG」のグループリーダーを務めている2人です。2人の主張は、「繊維リサイクルにおける最大の課題は、合成繊維と天然繊維を混ぜ合わせて作られた衣類の普及にある」ということです。合成繊維と天然繊維を混合した衣類のリサイクルはほぼ不可能で、リサイクル可能とするためには単一素材を前提とするモノづくりから見直す必要があるとしています。

 リサイクル技術の確立を目指すばかりに、真の問題解決が先送りになっていることに警鐘をならしているわけです。




⑥Eugenia Morpurgo

 繊維原料に関する農業慣行について再考し、石油由来の素材からの脱却を研究する人物です。

 繊維製品の持続可能性を評価する際、例えば1平方メートルあたりの生産性という狭い範囲に注目して、紡績糸の量で生産量を測定します。しかしこのアプローチでは「真のコスト」、すなわち使用する水や肥料、労働条件、賃金、物流、長期的な土壌生産性が含まれていません。Eugeniaはこのような包括的計算を組み入れて、はじめて持続可能性を真に評価することができると指摘します。そうでなければ、現在の持続可能性対策は、根本的な欠陥をはらんでいることになります。


Speaking Apropos Farbe(色彩について)


カラーパレット

 以上のように6者のテキスタイルに関する考察を紹介してきましたが、サステナブルが標準となる昨今、もっとも重要となるのがカラートレンドです。

 現在は、色彩を伝える言語の存在がとても大切な要素となっています。例えば、黄色を「レモン」と称するように感情レベルで共鳴し、雰囲気、感覚、気分が伝わるような名前を付けることで、単なる視覚的知覚を超えた、より深い物語へと多くの人を引き込むことができます。
 今回のトレンドカラー18色は、すべてアルコバが独自に名前を付けています。また6者の語る内容によって、トレンドカラーを割り当てている点もご注目ください。
  
                     ◆

 今回のトレンドはとても難解な内容となっていますが、よくよく紐解けば、なるほど「Future Continuous(未来進行形・未来は続く)」というテーマの通り、過去に目を向けることで未来のテキスタイルの方向性を示しているのがご理解できるのではないかと思います。
 「ハイムテキスタイル2025」会期初日の1月14日に現地にて日本の方に向たけセミナーを行います。また「JAPANTEX 2024」ではプレビュー展示、セミナーも行います。ぜひ足をお運びください。

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