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2024年3月26日
【プロダクトナウ/企画者インタビュー】
バイオミックストーン 東リ


バイオミックストーンの施工イメージ

 SDGs、サステナブル、循環型といった環境意識の高まりの中で、リサイクル・アップサイクルとともに注目度が高まっているのがバイオマスである。バイオマスとは、生物から生まれた再利用可能な資源(石油などの化石燃料を除く)」のことを指す。

 このバイオマスを素材とした床材が、東リ(株)(永嶋元博社長)より昨年12月に新発売された。単層構造ノーワックス仕様のコンポジションタイル「バイオミックストーン」である。

 今号では、同商品の企画を担当した、東リ(株)商品企画部床材グループの吉岡舞氏に、開発背景や商品の詳細について伺った。

 

「卵の殻」をアップサイクルしたバイオマス床材
殻が表出したサステナブルデザインにも注目


吉岡 舞 氏

 「バイオミックストーン」は、原材料の一部をバイオマスである「卵の殻」に置き換えたコンポジションタイルです。卵の殻を原材料としてアップサイクルすることで、サステナブル(持続可能)、かつ循環型リサイクルにもつながる床材となっています。

 コンポジションタイルの原材料は、7割以上が炭酸カルシウムでできています。この炭酸カルシウムを、サステナブルな素材で代替えできないものかと検討を重ねたところ、行き着いたのが卵の殻でした。卵の殻というのは、全体の9割以上が炭酸カルシウムで構成されていて、コンポジションタイルの原材料として非常に適しています。

 ご承知の通り、卵の殻は食品加工の過程で大量に発生します。これまでは家畜の飼料にするほか、卵殻膜を化粧品の原料としても活用されています。そこで当社では、キユーピーグループに協力を依頼し、卵の殻を原材料としてご提供いただけるとことになりました。

 生産工程としては、キユーピーグループで使用済みの卵の殻を洗浄・乾燥・粉砕し、それを当社で仕入れて、当社工場内で原材料に混ぜ合わせて製造するという形です。卵の殻の割合は重量比で約25%、タイル1枚につき約80個の卵が入っている計算になります。10%以上のバイオマス素材を使用した製品に付与される(一社)日本有機資源協会認定の「バイオマスマーク」も取得しています。

 物性については、もともとの原材料と同じ炭酸カルシウムということもあり、問題が生じる心配はありません。

 卵の殻が表面にまったくでないようにすることも可能ですが、それでは通常のコンポジションタイルとの違いがわかりません。卵の殻をあえて表出させることで、サステナブルな床材だということを訴求しています。


卵の殻


「バイオミックストーン」サンプル帳

 ちなみに、卵には白玉、赤玉、ピンク玉の3種類がありますが、多くの卵の殻を活用するためにも、あえて全色の卵の殻が不規則に混ざり合う様をデザインに取り入れながら、自然の風景のような独特の質感を表現しました。

 柄は穏やかに混ざり合う模様を表現した「カーム」、抑揚の強い大胆な模様の「グランド」の2柄で、それぞれ3色を展開しています。

 価格は5500円/㎡と、同じコンポジションタイルの「ダイナミックストーン」と比較して約1割高くなっていますが、発売後の反響はとても大きく、特に環境意識の高いお客様からは高い評価をいただき、商業施設などを中心に広がりをみせています。

 「バイオミックストーン」は、まさに東リのバイオマス製品の第一弾となりましたが、市場動向を見ながら次のバイオマス製品の展開を考えていきたいと思っています。




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