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リノベーション

2015年1月30日
リビタ 築53年のオフィスビルをシェア型複合施設「the c」に


9F 共用サロン


9F 共用サロン


9F 共用サロン シェアキッチン

 (株)リビタ(南佳孝社長)は、東京・千代田区内神田のオフィス街に立地している、建築基準法上“事務所”用途である築53年のオフィスビルを、一部“寄宿舎”へ用途変更し、シェア型賃貸住宅とするとともに、シェアオフィス・シェアスペースの機能も融合した、これまでにないシェア型複合施設「the c」(事業主:ヒューリック(株))を新たに企画。年明けから賃貸部分の入居者を募集開始しており、既に9件の申し込みを受けているとのことで、1月18日(日)よりいよいよ入居が開始された。

 「the c」(物件名:ヒューリック内神田ビル)は、もともと東京メトロ「大手町」駅、JR「神田」駅、都営新宿線「小川町」駅から至近という、いわゆるCET(Central Tokyo)エリアのオフィス街に、昭和37年1月に建設された鉄骨鉄筋コンクリート造地上9階地下2階のオフィスビルである。
 築年数が古いオフィスビルの空室が、近年、千代田区・中央区など都心エリアでも増加しているが、事業主では、昭和37年1月に建設された同物件について、建て替えも含めて検討した結果、容積率(970%)の点で既存不適格となること、オフィスビルとしては階数が低く、フロアが狭小であること、また耐震改修の際に設置された耐震ブレーズも室内にあることなどから、建て替えやオフィスリニューアルではなく、シェア型複合施設としてサブリースすることで空室リスクを回避することを選択したという。


耐震ブレイズとインナーバルコニー


居室からインナーバルコニー

 (株)リビタは、UR団地を再生したシェア型賃貸住宅 「りえんと多摩平」や原宿神宮前の「THE SHARE」、港区海岸の「TABLOID」など、エポックメイキングな施設のプロデュースを手がけて来たが、今回新たに誕生した「the c」では、これまでに培ったコミュニティ醸成の企画力や運営ノウハウを活かし、シェアアパートメント・シェアオフィス・シェアスペースの3つの機能が融合して、新しい価値を提供する複合施設を展開、オフィス需要が減少したエリアにおいて、多様化した“住まい方”の需要に応える住居を創出、さらに、地方へのアクセスが良い東京駅徒歩圏に位置することから、二拠点居住などの多様な居住形態に対する受け皿となることも視野に、都心のオフィス街を働く場所から暮らす場所へと転換を図るとしている。

 「the c」のプロジェクトでは、企画・プロデュース・統括設計監理・運営管理を(株)リビタが担当。また設計・監理パートナーは、(株)南條設計室、リノベーション施工はジーク(株)で、さらに、クリエイティブディレクションには、「CIBONE」「George’s」などを展開する(株)ジョージクリエイティブカンパニーの天野譲滋氏、サイン計画・グラフィックデザインは(株)ラボラトリーズがそれぞれ担当している

 ちなみに、施設名称の「the c」には、「central」「conversion」「communication」「culture」「create」といった時代のキーワードである多様な「C」が含まれており、都市居住の新たな可能性を模索し、住む、働く、集うという三つの機能が作用しあい、化学反応を起こすことで、新しいコラボレーションやカルチャーなどが生まれる場となることを目指している。


B1 Cラウンジ


B1 Cラウンジへの出入口


B1 Cラウンジ

 シェアパートメント(3〜9階)は全53室。平均14.9平米のワンルーム中心に構成され、2人居住可能な部屋も6室ある。寄宿舎への用途転換に際して、東京都安全条例19条で、道路に面する窓や窓先空地に面する窓の設置が必要であること、また建築基準法第28条で求められている採光と換気に関する要件を満たすため、屋内側に共用部分として「インナーバルコニー」を設置した点が設計上の大きなポイントである。

 9階には大きなシェアキッチンやシアタールーム、ライブラリーの機能があるシェアラウンジが設けられている(シェアオフィス利用者も利用可能)。
 2階のシェアオフィスは、集中に特化したシェアオフィスを提供。レイヤー分けされたシェアオフィス内は、集中したい度合いでデスクの選択が可能。資料を拡げやすいデスクの大きさや遮断性の高さなど、仕事や作業に最適な設計となっている(利用者募集は2月中旬の予定)。
 地下1階の「C lounge」は、入居者以外の趣味を楽しむ大人たちに開放された多目的シェアスペース。シェアキッチン、防音仕様のスタジオ、壁面のピクチャーレールなど設備が充実しており、料理教室や、DIY、ヨガ教室、音楽イベント、会議、展覧会など様々な用途に利用することが出来る。

 なお、今後同施設の展開に当たって、空間・コンテンツの魅力を高めていくべく、各分野で活躍中の専門家をプロジェクトサポートメンバーとして参加している。たとえば、空間・インテリアディレクションは前出・天野譲滋氏が担当。またコンテンツディレクションを、NHK Eテレ「趣味悠々」でもおなじみのメディアファシリテーター佐々木博氏((株)創庵)が、コンテンツマネジメントと運営サポートには、千葉県富津市で廃業したホテルをアトリエ&コワーキング施設として再生したことで知られる、金子愛氏がそれぞれ担当する。

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