オンラインインテリアビジネスニュース

ログイン・登録 PC版

本紙紙面

2025年4月28日
【この人に聞く】
株式会社デコリア 代表取締役社長 小島健司氏
健 康経営優良法人「ネクストブライト1000」に選出
「 競争」から「共創」掲げオープンイノベーションを実践


小島健司氏

 神奈川県小田原市で壁紙の企画・製造を行う(株)デコリアの代表取締役社長を2023年から務めています。インハウスデザイナー出身の代表というのは、壁紙メーカーの中でも珍しいのではないでしょうか。

 さて、オンラインIBNでも取り上げていただきましたが、このたび「健康経営優良法人2025中小規模法人部門(ネクストブライト1000)」に認定されました。

 「健康経営優良法人」は、経済産業省と日本健康会議が健康経営を実践する企業を顕彰する制度で、中小規模法人部門では毎年約2万社が認定を受けています。今回当社が選ばれた「ネクストブライト1000」は、2万社のうち上位500社を顕彰する「ブライト」に次いで、上位501社〜1500社の企業を選出するものです。目標の一つとしていましたから大変光栄に思っています。来年以降は「ブライト」を目指してさらなる健康経営を推進していきます。




(株)デコリア外観

 当社が同制度をはじめ各種の経営改革に取り組んだ主な目的は人材確保でした。昨今は少子化による働き手の減少が顕著になっています。当社の場合は地方都市、中小企業、製造業という採用難の3点セットで、しかも小田原市には富士フイルムや花王という大企業の工場もありますから非常に厳しい状況にあります。

 採用において中小企業の最大の課題は知名度です。特に新卒採用では学校側がよく知らない企業に生徒を送り出してくれません。それなら小田原市限定でも知名度を高めようと考え、さまざまな施策を実行してきました。

 まずはじめたのがSDGsへの取り組みです。小田原市は全国でも早くSDGsに着目し「おだわらSDGsパートナー制度」を立ち上げました。これにいち早く手を挙げ、2020年に認定していただきました。続いて神奈川県の「かながわSDGsパートナー」にも認定され、地元のテレビ局や広報誌に取り上げられるようになり徐々に知名度が上がってきました。

 このSDGsへの取り組みをさらに発展させたのが「健康経営優良法人」です。SDGsには17のゴールが設定されています。当社はジェンダー平等、女性活躍、働きがい、健康に重点を置いてきましたが、その中でも社員に長く健康的に働いてもらうために「すべての人に健康と福祉を」に着目、より具体的に進めていくために、「健康経営優良法人」の認定を目指すことに決めたわけです。

 認定を受けるためにはクリアしなければならない項目が多数あり、いわば点数制になっていて一つずつ実行していく必要があります。道のりは厳しいのですが、逆に言えば社員の健康のためのやるべきことが明確になることがメリットです。


ヘルシー弁当


チームなでしこのみなさん


工場見学
工場はショールーム

 例えば、会社では毎年健康診断を行いますが、その後に改善のためのアクションは何も起こしていませんでした。そこで社員の健康状態を分析してみると、実は神奈川県の平均よりも肥満であることが分かりました。その改善策として宅配給食のメニューにヘルシー弁当を導入しました。

 また製造現場はどうしても男社会ですから女性が不便に感じることが多々あります。そこで女性社員で「チームなでしこ」を結成し、女性ならでは目線で改善を実行しました。例えば、女性はホルモンバランスの問題で体調に変化が生じやすいのですが、なかなか男性には理解できません。そこで「あすか製薬」の協力を得て、会社全体でホルモンバランスに関する知識をEラーニングで学びリテラシーを高める取り組みを行いました。

 こうして一つひとつ課題をクリアしていき、2023年と2024年に認定を得て、今年は「ネクストブライト1000」に選ばれました。特に社員が自主的に取り組み改善したという小集団活動、外部のリソースを活用した点などを評価していただきました。

 このような経営改革を継続してきた結果、現在は地元の工業高校から定期的に新卒採用ができるようになりました。もちろん今いる社員にとっても働きやすい環境にすることで長く健康に働いてもらえるようになります。

 ところで、壁紙業界も成熟していく中で、壁紙メーカーとしては「競争」から「共創」の時代に入っていると強く感じています。これまでのような勝った負けたの「競争」ではなく、それぞれの強みを活かしてコラボレーションしながら業界全体で「共創」し成長していくという考え方です。そこで当社ではオープンイノベーションという理念のもと、工場見学に力をいれています。今までは企業秘密として隠していた部分も含めて、さまざまな業種業態の方に公開してきました。昨年度は342名の方に来ていただきましたが、今年度は400名を目標にしています。ご興味がありましたらぜひご連絡ください。 (談)

戻る


トピックス

本紙紙面

アクセスランキング

  1. 「第44回 JAPANTEX 2025」閉幕 来場者数は8411名
  2. LIXIL 近畿大学と窓断熱改修による健康・経済効果の研究論文発表
  3. 国交省 改正建設業法の説明会を12月より全国各地で順次開催
  4. スミノエ 東京宝塚劇場に緞帳を納入
  5. サンゲツ フィリピン「マプラン・ルパ住宅建設プロジェクト」に貢献
  6. YKKがパナソニックHS株式取得しYKKAPと戦略的パートナーシップ合意
  7. コクヨとアクタス協業ブランド「HOW WE LIVE」シドニーに常設店舗開業
  8. 「第44回 JAPANTEX 2025 INTERIOR TREND SHOW」開幕
  9. リビタ 区分マンション買取再販事業を新ブランド「icco icco」に再編
  10. サンゲツ 各種施設向け床材見本帳「2025-2027 S FLOOR」12/11発刊

IBNからのお知らせ

資料請求・お問い合わせ

©有限会社インテリア情報企画