大阪・関西万博のイベント広場
■人工芝はカーペット
10月13日の閉幕まで残り僅かとなった大阪・関西万博。最終盤は大混雑が続き、主催者は「『かけこみ万博』に、ご注意を。」と呼びかけています。
さて、その会場ではタイルカーペットをはじめ、実に多くの床材が敷かれていますが、屋内外で最も目にする床材の一つが人工芝です。
大規模イベント場や休憩・キッズスペースなどに敷かれている人工芝は成型品ではなく、タフテッド製カーペットであり、当組合会員企業によるものも数多くあります。
パビリオンの周辺
■1300万㎡市場に
「日本カーペット工業史」によると、人工芝は「1965年、米国アストロドームに使われたアストロターフがよく知られており、日本では1976年に後楽園球場に敷設され、横浜、所沢、西宮球場などにも使用された」とあります。
そして今、国産タフテッド人工芝の生産量は、比較的堅調に推移しており、「IDBカーペット年鑑」によると、2024年の生産量は421万㎡で、タフト全体(約4730万㎡)の約1割を占めます。
421万㎡の内訳推計は、野球・サッカー場向けなどロングパイル品が80万㎡強、テニスコート向けも80万㎡強、ホームセンター向けや景観用などが225万㎡、ゴルフ場関連向けが20万㎡ということです。
さらに、財務省「貿易統計」によると、タフテッド人工芝の輸入量は、中国やベトナムからを中心に年間850万㎡ほどにのぼります。ということは、国産と輸入を合わせると、およそ1300万㎡という大きな市場になります。
運動場・スポーツ施設や住宅ベランダといった従来の使用場所に加え、近年は“緑”の癒しを求めてオフィスや店舗などで敷く例も増えています。パイル素材もポリエチレンやポリプロピレンだけでなく、紙や生分解素材などの新しい素材が登場。繊維の太さや断面形状を工夫して、より天然芝に近いものも出てきています。市場の成熟に合わせるように、人工芝は進化しています。
メンテナンス性の良さ、芝のリアル感、安全性、スポーツ技術の向上、癒し・リラックス性など、多くのメリットを持つ人工芝。様々な場面でこれからますます出番が増えるのではないでしょうか。(日本カーペット工業組合事務局)
【お知らせ】
冊子「新訂カーペットはすばらしい」はPDFファイルで公開しています(無料でダウンロード可能)。
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