矢澤寿々子氏
TDAでは、昨年の本紙でも既報の通り、繊維産業の特に織物工場において膨大に発生する産業廃棄物「生地ミミ」の素材としての面白さと、その生産背景を多くの方に知っていただき新たなアート作品などにアップサイクルする活動「TDAミミプロジェクト」を2019年に立ち上げメンバーで発足。その後(一財)大阪デザインセンターとの共催により「mini mimi expo」を3カ年計画にてスタートしました。
これは、2030年のSDGs目標達成が叫ばれる中、脱炭素化に向けた取り組みの一環で、織物を生産する際に発生する生地ミミに注目。あまり一般消費者には知られていませんが1つの織物工場で、1週間あたり100キロもの生地ミミが廃棄されており、焼却処分のためCO2が発生しているという現実を目の当たりにしました。
そのアプローチとして「TDAミミプロジェクト」を位置付け、協会の役割として、廃棄物でしかなかった「生地ミミ」をしかるべき必要とされる場所へお届けするシステムを確立し、このイベントを機にネットワークの拡大にさらに取り組んでおります。
さて、3カ年計画のファイナルに当たる2025年の「mini mimi expo」は、10月7日(火)〜11日(土)、「Ikasu(活かす)」をテーマに、今年も大阪・船場の大阪デザインセンターで開催します。内容は、生地ミミ販売や、生地ミミを使った企業や作家による商品やアートの展示販売、日替わりワークショップ、他では聞けない2つの協会によるサーキュラーエコノミーに挑戦するシンポジウム及び業界の垣根を超え「これから」を考えるパネルディスカッション、学校参加型アワード「mimi-award 2025」ノミネート作品の展示などを企画しています。
このうち、昨年に続いて開催する「mimi-award 2025」は、大学生・専門学校生を対象に、生地ミミを使ったアート作品、デザイン作品(衣服・帽子・靴・バッグ・アクセサリーなど)を公募し、ノミネート作品の中から、グランプリ、準グランプリ、各審査員賞を選出するもの。ノミネート作品は、会期中会場に展示されます。これらの審査内容や、シンポジウム、ワークショップの申込みについては、公式ホームページ及び公式インスタグラムにて後日詳細を掲載いたします。
また、前出のサーキュラーエコノミーに挑戦するシンポジウムに登壇される2つの協会とは、日本リサイクルカーペット協会と家具インテリアリサイクル&リニュー協議会です。それぞれの協会から10月8日17時より、近藤忠稚氏と中村孝之氏・山崎浩之氏が登壇されます。オンラインでの参加も可能です。
今年は、大阪まちごと万博共創プラットフォームが運営する「まちごと万博」にイベント登録しています。これは、大阪万博(10月13日(日)まで)を夢洲のメイン会場だけに終わらせず、同時期に大阪で開催されるイベントやプロジェクトを万博のパビリオンに見立て、WEBを通じて可能性を発信していくもの。大阪万博と連動して、「mini mimi expo」も一緒に盛り上げていきたいと考えています。
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