オフィスで間仕切りニーズが拡大中
オーダーカーテン市場の停滞が続く中、新たな用途提案として注目されているのが、間仕切りでのファブリック活用である。特にオフィスでは、コロナ禍以降に急速に進んだフリーアドレス化やABW(アクティビティ・ベース・ワーキング)の影響で、空間をフレキシブルに仕切るという使い方が浸透している。さらに働き方改革の視点から、職場にも住宅のような癒やしの雰囲気を演出しようというニーズも重なり、間仕切りにファブリックを取り入れるケースが増加している。また、オフィスだけでなくネイルサロンやエステサロン、アパレルショップの試着室、富裕層向けクリニックなどでも空間をやわらかく仕切るニーズは拡大中だ。
こうしたニーズに対応すべく、トーソー(株)(八重島真人社長)は、さる7 月14日(月)、間仕切り向けに開発したノイズレスカーテンレール「フロウ」を新発売した。
ノイズレスデザインの「フロウ」
表裏のないデザイン
「ウェーブスタイル」では
ピッチキープテープ が内蔵されている
「フロウ」は、レール本体の断面がシンメトリー構造で表裏がなく、どちらからも見た目が同じになる。またブラケット、ジョイント、カーテンストッパーなどの部品がすべて内部に収まり、スリムな吊り棒も含めて、無駄を削ぎ落としたシンプルなデザインが特徴だ。
これまで同社では、吊り棒タイプのカーテンレールとして「ニューリブ」を展開してきた。主に医療施設向けで吊り棒の存在感が大きかったが、「フロウ」はこれとは一線を画し、空間に馴染む、ノイズレスデザインを追求している。ある意味、カーテンレールとしての存在感を極力抑えることで、間仕切り自体の価値を高める商品といえる。
さらに「フロウ」では、表裏のないノイズレスデザインとあわせて、間仕切り用途へのファブリック活用を広げるため「ウェーブスタイル」の提案も強化する。
「ウェーブスタイル」とは、カーテンのヒダを取らずにゆるやかに波形を描くカーテンスタイルで、表裏どちらからみても同じ見え方になることに加えて、空間をやわらかく包み込む効果があるなど間仕切りニーズとの相性は抜群だ。
「フロウ」では、通常の縫製スタイルの対応に加えて、オプションで「ウェーブスタイル」(ピッチキープテープ内蔵タイプ)に対応。カーテンメーカーなどにフラット縫製(フック数は偶数)で依頼すれば、「フロウ」側で簡単にウェーブスタイルが実現できるようになっている。ただし、カーテンメーカーが独自に提供する「ウェーブスタイル」を選ぶ場合は、「フロウ」では通常スタイルを選ぶ必要がある(ピッチが合わなくなるため)ので注意が必要だ。
もちろん、「ウェーブスタイル」だけでなく、WEB 会議などしっかり仕切る必要がある場所なら遮光・遮音機能を有した厚手のカーテンを通常スタイルで、空間を人の気配を感じながらやわらかく仕切るなら「ウェーブスタイル」で、といった形に目的にあわせて使い分けて提案することも可能だ。
住宅市場を中心にカーテン需要が低迷する中、新しい用途提案として注目される非住宅市場での間仕切り提案。「フロウ」はカーテン市場拡大の突破口となる可能性を秘めている。
非住宅での用途が増加
|
|