仕事中の軽いリフレッシュが生産性向上につながる
安田日本興亜健康保険組合では、東京・大手町の東京サンケイビル17階のオフィスにて、インテリア健康学の観点を採り入れた従業員のためのリフレッシュルーム作りを推進、このほど竣工した。
インテリア健康学とは、インテリアデザイン×医療の視点から生まれたアクティブケアの考え方をもとに、人の健康を第一に考えた空間づくりを展開。生活環境を整え、知らず知らずにストレスの原因となっていた刺激を低減し、人を健康へと導く、空間創造の新しいメソッドとして注目されている。提唱者の尾田恵氏((株)菜インテリアスタイリング代表)は、ICとして多忙な日々を送りながら大学院で専門的な研究を行い、公衆衛生学修士の学位を取得。2018年には、(一社)インテリア健康学協会(JIHSA)を設立して、医療機関との共同研究にも参画している。
今回の安田日本興亜健康保険組合におけるリフレッシュルーム新設プロジェクトは、そうした尾田さんたちの趣旨に、同健保組合の藤澤陽一常務理事らが賛同して実現にこぎつけたものだ。
これまで、企業経営者にとって、従業員の癒しと生産性は相反するものとして捉えられがちだった。かつて労働生産性とコストが最優先だった時代の、(管理する側から見て)理想的なオフィスは、1960年公開の有名な米国映画「アパートの鍵貸します」において、主人公が勤務するニューヨークの保険会社のオフィスを想像すればいい。
ところが、コロナ禍に前後して、わが国のオフィスでも、海外の先進企業に倣って、フリーアドレスの導入やおしゃれな家具がある休憩室、カフェスペースの設置など、従業員間のコミュニケーションの促進や自由な発想を引き出すことを狙って、様々な取り組みが行われるようになって来ている。
「そこに新たに健康という観点からのアプローチを加えられないか」と同健保組合の藤澤常務は語る。
「健康保険組合は、病気やケガのような事態が発生した時に組合員の皆様と接することが多いのですが、そもそも多くの方々が慢性的な腰痛や肩こり、眼精疲労など病院に行かないまでも日常的に健康面で何らかの痛みや不調を感じたりしながら生活を送っているのではないでしょうか」
「今回は、業務時間中にリフレッシュし、軽い運動が出来る環境を整備し、そうした将来業務に支障を来す様々な健康障害を未然に防ぎ、職員の皆さんが、健康でイキイキ働ける職場づくりを通じて、生産性が上げられるのではないか、という仮説に基づき、リフレッシュルームの開設に取り組みました」
賃貸オフィスの制約はあっても、インテリアに出来ることはいろいろある
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