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2023年1月11日
【業界トップに聞く】
株式会社川島織物セルコン 代表取締役社長 木村弘一 氏


木村社長

 インテリア企業トップにインタビューする当コーナー。今回は2020年1月10日号以来、3年ぶりに(株)川島織物セルコンの木村弘一社長にご登場いただいた。

 この3年、新型コロナウイルスの感染拡大で日本社会は大きく変化、また同社も2021年1月にMBOを実施して以来、経営体制を一新するなど大きな変化を経ている。こうしたさまざまな変化の中で、同社の現況や商品・営業戦略、その前提となるインテリア市場の見通しなどを語っていただいた。

MBO経てチャレンジできる体制へ
思いを込めた商品開発を展開

 ――インテリア市場の現況と今後の見通しについてお聞かせください。

 木村 まず住宅市場ですが、ご承知の通り新築住宅着工戸数は前年並みで推移していますが、その内訳をみると、持ち家は減少し、逆に賃貸物件や分譲マンションが伸びています。そうなると当然「窓」の総数は減少していきますからカーテンの総数も減少傾向となります。

 その一方で、掛け替え需要は少しずつ機運が高まっていると感じています。例えば、コロナ禍で家にいる時間が増えたことで、エンドユーザーが住空間を見直す良い機会になりました。住空間に興味を持つ人が増えれば、自然と掛け替え需要は喚起できるはずです。例えば年末にはカーテンを洗濯する、といった習慣を根付かせることでカーテンへの関心が集まるでしょう。そうした働きかけによって、新築の減少分を掛け替えで補う、というアプローチが必要です。

 コントラクト市場については、オフィス関連が堅調です。働き方改革の影響でオフィス環境を向上しようというニーズが高まっている他、テレワークの浸透により通常業務は在宅で行い、オフィスでは会話や議論などコミュニケーションを取る場という位置づけとなり、それにふさわしい空間デザインを求めるという新しいニーズも生まれてきています。

 また厳しい状況が続いていたホテル関連も、大阪万博を見据えて下期から動きはじめるものと期待しています。

 ――MBOからちょうど2年が経過しますが、どのような変化がありましたか。

 木村 今年1月6日で3年目に入りましたが、とてもスムーズに移行できています。やはり一番の変化は経営判断が早くなったということですね。
 一方、商品開発についてはすぐに成果を求めては実現できないことが多々あります。例えば、今回のフィーロで投入した絣糸は数年の開発期間を要しましたが、その期中の成果ばかりを追い求めていれば、そうした投資はできなくなります。その意味では、温めてきたものが花開くまで待てるような、チャレンジができる体制になった点もとても重要な変化ですね。

 ――商品施策についてお聞かせください。

 木村 我々はメーカーですから価値あるものを開発するということに尽きます。
 それには市場のニーズを感じ取って開発する、そしてつくり手の思いを込めて開発する、という二つの方向性があると思っています。市場のニーズに応えるのは基本なのですが、例えば市場から絣糸を使用したファブリックが欲しいという要望はないわけですから、こうしたものはつくり手の思いがあってこそ生まれるものです。このような商品を生み出していくことが川島織物セルコンが出来る挑戦だと考えています。
 昨年10月に発売したフィーロは、そうした考え方の中で開発したものです。

 ――フィーロは従来型の見本帳を発行しないことでも話題となりました。

 木村 今まで見本帳という販促ツールは非常に有効で、現在でもそういうチャネルはあります。しかしフィーロは、インテリア専門店を中心に、実物の生地を活用して丁寧に説明しながら提案するシリーズです。そうした売り方の場合、どういった販促ツールが必要なのかと考えたときに従来型の見本帳よりも生地サンプルを優先させたということです。
 この他のシリーズについては、メインで使用される業態の方々がどのような売り方をしているのかを捉えながらチャネル別に対応していく考えです。

 ――原材料費の上昇が続いています。製品価格についてはどのように対応されますか。

 木村 社内では地道な努力を続けていますがその範疇を超えている状態ですから、今回のフィーロの改訂では製品価格に転嫁せざるを得ませんでした。良いものを提供するための判断ですのでご理解いただきたいと思っています。

 ――インテリア専門店への営業施策などございましたらお聞かせください。

 木村 前述の通り窓数が減っていく中で、今後はカーテンだけでなく、クッションやラグなどをセットで販売いただくことでお客様単価をアップしていくことが不可欠になると考えています。当社ではモリスやSHをはじめ二次製品を数多く用意していますから、その点は大いにご協力できるものと考えています。
 また、これまでは当社営業担当は商品PRのみに伺うというケースも多かったと思いますが、今後はどのようにしたら商品の良さがエンドユーザーに伝わるのか等を、インテリア専門店の皆さまと一緒になって考えていきたいと思っています。

 ――最後にインテリア業界に一言お願いします。

 木村 コロナ対応、値上げ問題、環境問題などインテリア業界各社共通の課題があります。特に環境問題については、タイルカーペットをはじめ床材関連の改善は進んでいますがカーテン関連はまだ遅れていると感じています。こうしたことを業界共通の課題として取り組むことはできないかと考えています。
 地球環境を守るという大きなテーマのもと一致団結して取り組みたいですね。

 ――ありがとうございました。(聞き手・善明剛史)

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