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2022年11月28日
【プロダクトナウ/開発者インタビュー】川島織物セルコン
ハイグレードカーテンシリーズ「filo」


「hanoka」シリーズ

 (株)川島織物セルコン(木村弘一社長)は、ハイグレードカーテンシリーズ「filo(フィーロ)」を刷新し、10月20日に新発売した。

 従来の「filo」は、「スミコホンダ」、「MORRIS DESIGN STUDIO」の2ブランドを含めた展開だったが、それぞれは独立し、新しくなったカテゴリー「hanoka(ハノカ)」が示すように、新「filo」は、他の2ブランドとは違う固有の技法をこだわりのテーマにしたシリーズに生まれ変わった。また従来型の見本帳形態ではなくカタログを主体とする販促戦略も話題となっている。

 新「filo」の開発コンセプトや商品の詳細について、同社商品開発部の前田高志氏と名古稚子氏に語っていただいた。

 

「filo」を象徴するこだわりのシリーズ「hanoka」
絣糸を用いてオンリーワンのデザインを提案

 前田
 これまで「スミコホンダ」や「MORRIS DESIGN STUDIO」は、ハイエンドシリーズということで「filo」に収録してきましたが、どちらもブランドとしては独自路線を確立していますから、今回の「filo」改廃を機に、それぞれオリジナルブランドとして独立することとなりました。それにともない「見本帳」という形態も見直しました。

 もともと「filo」は見本帳ビジネスではなく店頭で実物をみていただく形がメインでしたし、プロユーザーの方々が必要としている情報も多様化していて、見本帳に掲載している情報だけではカバーできない、という問題もありました。そこでデジタルブックとの連動も含めた今回のカタログ形態に転換したわけです。これにより、例えば新柄の追加など従来型の見本帳では難しかったことにも柔軟に対応できるようになると考えています。

 名古
 今回「filo」を単体として開発するに当たって、もっともこだわった点がメーカーならではの織り技術の追求、そして糸の開発でした。
 「filo」というブランド名はイタリア語のfilato(糸)に由来しています。まさに「filo」というのは糸からこだわってつくるシリーズなのだという原点に立ち返ってモノづくりをスタートしたということです。

 前田
 「filo」では「hanoka(ハノカ)」「Classy(クラッシー)」「Lace & Plains」の3カテゴリを展開していますが、特にご注目いただきたいのが「hanoka」です。「hanoka」は前作から登場したカテゴリですが、糸からこだわる新たな「filo」を象徴するカテゴリとしてブラッシュアップしました。

 名古
 糸からこだわったときに、帯をつくるメーカーとしてふさわしいと考えたのが絣、絞り、箔糸といった伝統的な手法でした。そこに着目して開発したのが「hanoka」で展開する「kasuri(かすり)」と「haku(はく)」という2シリーズです。

 「kasuri」は絣糸を経糸に使用したシリーズです。絣糸とは1本の糸を2色以上の糸に染め分けたもので、1本の糸の中で色が変化していくため生地にさまざまな表情が生まれます。しかし染色は手作業で行うためカーテンのような量産品には採用できませんでした。それを今回、3年の月日をかけて京都・市原の自社工場にて量産化に成功、カーテンとして製品化することができました。
 その代表的なデザイン「マレジオメ」は、海の水面の揺らめきとキラキラ輝く光景を表現したもので、絣糸によって奥行き感が生み出されています。

 一方の「haku」はメタリックな光沢を放つ箔糸を用いたシックなシリーズとなっています。代表柄の「ビウマリネ」は、孔雀が広げた羽根の色が見る角度で変化するような優雅なデザインです。


「kasuri」シリーズ「マレジオメ」


「kasuri」シリーズ「マレリスカ」


「haku」シリーズ「ビウマリネ」

 前田
 糸からこだわったことで、逆に苦労した部分もたくさんありました。例えば「kasuri」で採用している絣糸は、糸1本1本で濃淡に差がでてきます。それが魅力なのですが、整経の際にそのまま巻いてしまうと、濃い部分、あるいは白い部分が集中してしまうこともあります。そうならないようにバランスを考えながら整経しなくてはなりません。縫製の際の巾継ぎも同様の問題が生じてきます。こうした問題に対処できるのは、糸づくりから織り、縫製までを自社工場で一貫生産する当社だからこそだと思っています。

 名古
 「haku」についても、箔糸を用いながら防炎性能を付与するのは難しいものがありました。
 「hanoka」のようなデザインは、他社メーカーには真似のできないオンリーワンのものだと自負しています。ぜひ生地を近くでみていただきたいですし、モノづくりの在り方もご理解いただいた上で、商品のよさを感じ取っていただきたいと思っています。

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