住宅リフォーム市場規模推移と予測
(株)矢野経済研究所は、2024年の住宅リフォーム市場規模について、前年比0.5%減の7兆3470億円と推計数値を発表した。分野別には「増改築に関わる費用」(10平米超+10平米以下増改築工事)が前年比3.5%減、「設備修繕・維持関連費用」が同0.4%増、「家具・インテリア費用」が同5.6%減となった。
2024年のリフォーム需要は、物価上昇等の影響によりリフォームマインドが低下したことなどから、工事件数が減少傾向に推移した。その一方で、建築資材費や人件費などリフォーム工事原価の上昇や省エネやグリーン住宅など政府の補助事業を契機にリフォーム工事内容を拡充する動きがみられたことなどから、1件当たりのリフォーム工事単価が上昇、リフォーム需要の減少分を単価の上昇で補ったことで、2024年の住宅リフォーム市場規模は前年比微減で着地した。
また2024年度の住宅リフォーム業界のトピックとして、M&Aの活性化をあげる。背景には、中小工務店やリフォーム事業者において、経営者の高齢化や後継者不在がある。売上拡大に向けて、よりスピード感をもって新規開拓を進めるためにM&Aを実施する動きもある。さらに、住宅リフォーム業界全体として、社内人材や協力会社、施工技能員の不足、建築資材や人件費等の事業コストの上昇などさまざまな課題が浮き彫りになっており、今後はそれらの解決方法の一つとして、M&Aによる事業再編が加速するとしている。
また2025年の住宅リフォーム市場規模については、前年比0.7%減の7.3兆円になると予測する。引き続き物価高等の影響により工事件数は減少するものの、その影響は軽微でリフォーム工事単価の上昇により住宅リフォーム需要の減少幅をカバーする見込みで、住宅リフォーム市場規模は横ばいから微減傾向で推移する見通しである。
|
|