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2026年2月25日
【新シリーズ】インテリア専門店の販促を考える
「販促」とは需要創造の仕組みづくり
設計思考への転換



 人手不足、人材育成、価格競争、大型店・ネット通販との競合──。インテリア専門店を取り巻く経営環境は年々厳しさを増している。しかし多くの経営者が口を揃えて語る最大の課題は「集客」である。

 新築市場はかつてのような勢いを失い、住宅メーカーの囲い込みは一層強固になった。市場に出てくるエンドユーザーそのものが減少している。その限られたユーザーも、価格や利便性で優位に立つ大型店やECが先に取り込む。この状況で、従来通りの販促を繰り返していては成果が出ないのは当然である。

 こうした環境下で、専門店の多くがB to Bを強化し、住宅メーカーの流れに組み込まれる戦略を選択している。それ自体は決して間違いではない。しかしその延長線上に、専門店独自の価値向上があるのだろうか。収益性は本当に高まるのだろうか。

 地域密着型インテリア専門店の本質的な役割は「地域の需要を創出すること」にある。本来、インテリアは住まいを豊かにし、生活の質を高める文化的価値があるはずだ。専門店はその価値を提供する存在であるにも関わらず、受動的な下請け業態に甘んじるならば、専門店の存在意義は徐々に薄れていってしまう。

 だからこそ改めて考えたい。集客とは何か。販促とは何か。



 販促は単なる告知活動ではない。売上を一時的に作るための施策でもない。

 販促とは、まだ顕在化していないニーズにスポットを当て、「欲しい」を生み出す行為である。言い換えれば、需要創造の仕組みづくりである。

 本紙ではこれまで数多くのインテリア専門店を取材してきた。その中で明確になったのは、「感覚」で行う販促と「設計」された販促の間には決定的な差があるという事実である。成功している専門店には、必ず戦略と設計がある。

 本シリーズでは、現場取材で蓄積してきた知見をベースに、マーケティング理論のような机上の話ではなく、現場目線で今求められるインテリア専門店の販促の在り方を体系的に整理していく。

 感覚論から脱却し、再現性のある販促設計へ。その第一歩として、まずは失敗例から検証していく。

【失敗例1】計画性のない行き当たりばったりの販促

 販促においてもっとも軽視されがちで、しかし最重要なのが計画性である。

 マーケティング知識の基礎であるPDCAでも、最初はPLAN(計画)が掲げられている。本紙では最近「販促は二カ月前からはじまっている」というフレーズをよく使っているが、計画から準備、実行までには少なくとも二カ月は必要である。それであるのに、例えば十二月も半ばになってクリスマス向けの販促を準備しても遅すぎるのである。

【失敗例2】専門店側のタイミングで販促を行う

 販促がもっとも効果を発揮するのは、そのユーザーが「買いたい」「興味がある」と思ったそのタイミングで情報を提供するときだ。まさに販促はユーザー目線が不可欠なのである。それなのに専門店側のタイミングで販促を行っているケースが非常に多くみられる。例えば、創業◯◯周年キャンペーンである。これは完全にお店側のタイミングである。よほどの深い関係の顧客以外は購買につながらないだろう。

【失敗例3】販促物にさまざまな情報を

 チラシやDMを制作する際に、どうしてもいろいろな情報をくまなく網羅してしまいがちだ。インテリア専門店は取り扱いアイテムが多く、あれもできるし、これもできると、載せたくなるのが心情だ。しかし、ユーザーからみたら、一つひとつの情報量が少なく、一体何を勧めたいのかわからない。インテリア専門店は、やはり一点突破全面展開でいかなくてはならない。一点突破したその先、さまざまな需要が広がっていく。その一点を明確にした内容にしなくてはならない。

【失敗例4】販促物から集客までの動線がわかりにくい

 販促物にエンドユーザーの目が留まる。いざ問い合わせなど次のアクションを起こそうとした際に、どこに連絡していいのかわからない、というケースもよく見られる。販促物から次のアクションまでの連動性が悪ければ、問い合わせや集客にはつながらない。

【失敗例5】販促物と売場の連携ができていない

 販促物から次のアクションへの連動性を構築し見事に集客に成功したとしても、売場が販促物と連携していなければ受注にはつながらない。例えば、販促物は高級でおしゃれだが、売場がそうなっていなければ購買意欲は減退する。販促から受注まで一気通貫で準備しなくては、効果は得られない。

                      ◆

 シリーズ「インテリア専門店の販促を考える」では、このような失敗を繰り返さないための販促の考え方を提示していきたい。




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