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特集

2015年5月30日
【連載】Interian Color――黄色は好き?嫌い?
(社)日本パーソナルカラリスト協会 渡部尚子氏


テストカラーを「かさねの色目」風に

 5月の連休、家でのんびりと過ごしたため、いつもよりテレビを見る機会がありました。このときの大きな話題のひとつはイギリスのシャーロット王女のご誕生。キャサリン妃が入院するずっと前から、病院の前で待っているイギリス市民のニュースや、生まれてくるのは男の子か女の子か、名前はなにか、とさまざまな賭けが行われているといった話題が、遠く離れた日本のワイドショーなどでも連日報道されていました。王室に関する関心の高さとか、あらゆるものが賭けの対象になることなどは、イギリス独特のものだと思います。いまやイギリスはお祝いムード一色で、あの小さな赤ちゃんが生まれたことによる経済効果は何百億円とか。このおめでたい話題に、心が暖かくなりました。

 お国柄というのは実にさまざまで、それまでの歴史上の出来事や風習、文化によるものが大きいと思います。色彩の分野においても、同様です。たとえば、“黄色”という色は、明るさや元気、前向きなイメージを持つ色だと言われています。インドやタイでは高貴な色として、法衣や寺院の装飾などに用いられ、また中国では皇帝をあらわす色として尊ばれました。しかし一方、ヨーロッパにおいては、イエス・キリストを裏切ったユダの衣装が黄色だったとされていて、黄色を「裏切り」や「嫉妬」をイメージする色として嫌う人も多いようです。

 色を提案する場合、慎重にリサーチすることも大事です。色の感情的効果や心理的効果を含め、さらには歴史的な背景、文化的な要素などの大きいカテゴリーのものから、単純に「好き・嫌い」といった個人的な感情まで、さまざまな事柄を考慮して色や色の組み合わせを考えていく必要があるのかもしれません。無限にある色の中からどの色を選ぶのか、どの組み合わせを用いるのか、そしてその色によってどのような効果が得られるのか。あまりに当たり前のように周りに存在している色だからこそ、プロとしては慎重に、そして有効な提案をしていきたいものです。

 日本は古代より独特の配色文化が生まれ、自然が豊かな風土と、それを愛でる繊細な日本人の心がさまざまな色とその組み合わせを生み出しました。衣装だけではなく調度品や紙など、さまざまな場面で日本の配色が活きています。また色の名前にも、日本人ならではの豊かな感情と観察力が光ります。染色の技術も含めて、この色彩文化は世界に誇るべき、日本の宝と言えると思います。この文化を大切に育むべく、私も末端の一人として力を注いでいけたら幸いです。

 さて、私どもは4月より法人名称を「一般社団法人 日本カラリスト協会」と変更いたしました。その方にお似合いになる色を提案するパーソナルカラーを中心として、色彩による潤いのある社会づくりを始めとした幅広い貢献をめざして、目的意識を持った人材の育成や普及のための活動をしてまいります。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

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