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2025年11月10日
【プロダクトナウ/開発者インタビュー】
Morris Design Studio 川島織物セルコン


ローズ

 (株)川島織物セルコン(光岡朗社長)は、ウィリアム・モリスのファブリックコレクション「Morris Design Studio(モリスデザインスタジオ)」の新作(9柄11アイテム)を、10月1日に新発売した。

 今なお世界中で愛されるウィリアム・モリス。同社ではサンダーソンデザイングループのライセンスのもと、ウィリアム・モリスのデザインを織物で再現して「Morris Design Studio」のブランド名で展開、人気シリーズとなっている。

 今回の新作発売にあたり、同社商品本部商品開発部テキスタイル製品開発グループ主幹の村越剛氏にその特徴を伺った。
 

現代の住宅デザインに寄り添う新柄・新色を発表
人気の「イチゴドロボウ」に白ベースの新色登場


バウワー


トレント


メイズカバーレット

 ウィリアム・モリスは、19世紀の英国で活躍したデザイナーであり、詩人、思想家です。近代デザインの父と言われ、産業革命による画一的な大量生産品を批判し手仕事への回帰を提唱、「アーツ・アンド・クラフツ運動」を主導しました。

 テキスタイルや壁紙をはじめ幅広い分野でデザインを手掛け、特に植物や鳥などの自然をモチーフにしたデザインは有名で、その美しさは今日でも、日本も含めて世界中の人々を魅了しています。

 「Morris Design Studio」は、このウィリアム・モリスのデザインを織物で表現したシリーズです。2000年の発売以来、多くの支持を得てきました。

 さて、もともとはプリントのデザインですから、それを織物という異なる技法でつくりかえるためには、とても困難な作業がともないます。ご承知の通り、織物はタテ糸とヨコ糸の組み合わせで色や柄を表現します。例えば、色については、原画と同じ色の糸を使用しても色が混ざり合うため、視覚混色の作用で色がやや濁って見えます。それを同じ色に見えるような調整が不可欠です。また一箇所だけ色を調整したいと考えても、他の部分にも影響がでてしまうため、すべてを考え直さなくてはなりません。柄についても、モチーフのフォルム、特に曲線を表現するところが難しくなります。

 弊社では、当初から織物として原画を超えるものをつくろうという強い思いのもと、糸の色や織り設計などにこだわってきました。単なる「再現」ではなく、「新たなモノづくり」という感覚で進めてきました。自社工場を持つ当社ならではのブランドになればと思っています。

 ちなみに、生地の表面だけでなく裏面まで美しく見えるように設計している点も注目です。

 その中で、今回の新柄はウィリアム・モリスの盟友として「アーツ・アンド・クラフツ運動」の重要な担い手の一人でもあるエメリー・ウォーカー卿の邸宅を彩っていた「ローズ」「バウアー」「トレント」「メイズカバーレット」という4つのデザインをピックアップしました。いずれも非常に緻密な柄ですが、原画以上の仕上がりと感じていただければ嬉しいです。


イチゴドロボウ

 また色については、これまでの「Morris Design Studio」のラインナップは重厚な英国クラシックの色調でしたが、新柄では現在の日本の住宅デザインに合わせやすい、明るく優しい空間に寄り添うカラーをメインにしているのが特徴です。いずれの柄もベースとなる地のカラーは白やベージュなどの明るい色を用いています。先ほどの織組織の話ではありませんが、「Morris Design Studio」のような多色をつかう複雑なデザインの場合、白系のベースカラーを綺麗に見せるのは難易度が高くなりますが、今回はとてもバランスの取れた色の見え方が実現できたと思います。

 また人気柄「イチゴドロボウ」にも新色として白ベースのカラーをラインナップしました。これまでの「イチゴドロボウ」は、ベースが濃色で柄が明るい色という展開でしたが、新色はそれを反転したような明るいイメージとなっています。

 レースに関しては、「バウアー」「トレント」「メイズカバーレット」とコーディネートしていただける同柄を用意しました。ただしすべて同じではなく、デザインの一要素をピックアップして刺繍で表現しているのが特徴です。また「バウアー」は、レースでも非常に華やかなため、こちらをメインにして無地とコーディネートすることも可能です。

 近年は、モノそのものに加えて、その背景にある「つくり手」や「技法」への関心が高まっています。「Morris Design Studio」は、ウイリアム・モリスが大切にしていたことと弊社が大切にしているモノづくりへの姿勢が響きあうブランドです。

 なお、今回の新柄・新作の発売にあわせて専用見本帳も発刊しました。新作をはじめ全43柄67アイテムを収録するほか、ウィリアム・モリスについての説明、当社の織りへのこだわり、アクセサリー、FAB-ACE(ファブエース/ファブリックとクッション材を張り込んだ独自の壁面装飾システム)の提案などを収録しています。ぜひご活用ください。




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