「ウチリモ 内窓」引違い窓
夏場を迎えて、断熱・省エネ対策として内窓設置をはじめとする「窓リフォーム」ニーズが高まるこの時期、YKK AP(株)(魚津彰社長)は、リフォーム用樹脂製内窓「ウチリモ 内窓」引違い窓を、7月7日(月)に新発売した。
「ウチリモ 内窓」引違い窓の最大の特徴は、取り付け部分の見込み寸法(窓枠寸法)が、最小47ミリあれば設置が可能な点である。
内窓設置のイメージ
そもそも「内窓」とは、既存窓の窓枠内に、もう1つ新しい窓を設置することで、既存窓との二重窓構造とし、間に空気層をつくりだすことで断熱性や遮音性を高めるものである。政府は2050年カーボンニュートラル実現に向けて、ストック住宅の省エネ化を推進することを目的に、2023年から「先進的窓リノベ事業」をはじめとする「住宅省エネキャンペーン」を展開しているが、「内窓」はそのキーポイントとなるエレメントとして大いに注目されている。
実際にYKK APの内窓従来製品「プラマードU」の販売数量は、2022年度と比較して2024年度は2.1倍と大きく拡大している。
その一方、「プラマードU」は設置のために窓枠寸法が7センチ必要で、それに満たない場合は、「ふかし枠」といわれる部材を取り付ける必要があった。
この「ふかし枠」、窓枠の状態に応じて25ミリ、40ミリ、70ミリの3種類が用意されているが、幅が大きくなるほど施工が大変で、見た目も悪く、コストも高くなるといった問題があった。特に40・70ミリの「ふかし枠」を使用する場合は、脱落防止のために補強が必要で、意匠性に大きな問題を抱えていた。そのため「ふかし枠」が必要となる物件では、リフォーム会社がユーザーへの提案を断念するケースが多いという。
枠持ち出し納まり
YKK APの調べによれば、戸建てのストック住宅のうち窓枠が70ミリ以上という住宅は全体の50.5%、残りの49.5%は「ふかし枠」が必要となる住宅だが、実際に出荷されている割合は、「ふかし枠」不要の物件、すなわち窓枠70ミリ以上の住宅が90.6%を占めているのだそうだ。
こうした背景の中で、今回新たに登場したのが、窓枠寸法が最小47ミリあれば、「ふかし枠」を使わずに設置可能となる「ウチリモ 内窓」引違い窓である。
「ウチリモ 内窓」引違い窓では、従来67ミリあった製品寸法(下枠見込み寸法)を、さまざまな部材の形状やクリアランスを見直すことで徹底的にスリム化を図り、58ミリという寸法を実現した。
さらに新たな納まり方式「枠持ち出し納まり」を開発、最大11ミリを外側に持ち出すことで、あわせて最小47ミリの窓枠での設置を可能としたのだ。
また、ガラスの厚みはついては、断熱性能に直接関わってくるため変更していない。それにより「先進的窓リノベ事業」の補助金においてSグレードをクリアしている。
この「ウチリモ 内窓」引違い窓の登場により、ストック住宅のうち戸建住宅の約75%、RCマンションの約55%(いずれもYKK AP調べ)で「ふかし枠」不要となり、「ふかし枠」レスで納まる物件のカバー率が大きく向上した。これまで内窓設置を断念していたリフォーム会社、建設会社、そしてユーザーも改めて検討をしていくきっかけになるだろう。
この他、新たに「ブラック色」を追加した。窓リフォーム適齢期を迎えている1990年代に建った物件ではブラックサッシがブームとなっていたため、既存窓と色合わせニーズに対応するためだ。
このように、格段に扱いやすくなった「ウチリモ 内窓」引違い窓。インテリア専門店にとっては「窓リフォーム」取り組みへの追い風になるだろう。
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なお今回の新商品発売とともに、シリーズ名を「マドリモ 内窓 プラマードU」から「ウチリモ 内窓」に変更、従来品は「ウチリモ プラマードU」として販売を継続する。
さらに「マドリモ」は外窓リフォーム商品のシリーズ名とし、ドアリフォーム商品「ドアリモ」、「ウチリモ」の3商品を総称して「3リモ」として、今後プロモーション活動も強化していくとのことである。
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