藍で染めた「ジャパン・ブルー・スリッパ」。青のグラデーションが 美しい
CHIENOWAコミュニケーション代表 川﨑智枝
◆かつて日本一のスリッパの産地
埼玉県行田市の南河原地区では、昭和29年頃から農閑期の副業としてスリッパ製造が行われていた。戦前には草履の生産を行っていた業者が多かったが、徐々にスリッパ製造へと切り替えられた。全世帯数の9割が何かしらの生産に携わったほどで、昭和55年には国内製造の約3割を占めるまでになり、日本一のスリッパ産地となった地域である。
近年、海外の輸入品の増加や、職人の高齢化などに見舞われる中、この南河原の高い技術を後世に残すべく、2018年に「MINAMIKAWARA SLIPPER(ミナミカワラスリッパ)」プロジェクトがスタートした。南河原スリッパの技術の結晶である、「王道の型」が蓄積されているのがここの強み。現代人の足の形に合わせた履き心地の良さと、型崩れのしにくさなど、スリッパ本来の高い機能性を誇っている。また洗えることや、底糸をほつれにくくすることなどの技術力も備えている。今でも手作業のプロセスが多く、職人の長年の勘が付加価値の源泉となっている。
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