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2022年4月12日
【シリーズ この人に聞く】株式会社高野 常務取締役 川村純市氏
今はインテリア・内装業界の大転換期
人手不足、値上げ問題を団結し取り組むべき


川村純市 氏

 当社の創業は江戸時代の天保2年(1831年)、大阪で緞通製造業としてスタートしました。昨年創業190年を迎えており、インテリア関連ではもっとも歴史のある企業だと思います。

 その後、大正11年に東京支店(現在の本社地)を設置、関東大震災で被災し一旦引き上げましたが翌年再進出し、そのときに室内装飾用織物の卸販売と室内装飾工事を開始しました。また昭和天皇即位の際には、大典の儀のための緞通を製作、以来宮内庁より門鑑を拝受し、宮内庁御用達となっています。

 内装仕上材の卸販売は昭和47年、横浜市に横浜出張所を開設したのがはじまりです。その2年後に東京営業所を開設、以降千葉、東京北、東京西営業所を開設しました。現在は効率化のため営業所を統廃合し、建装営業所、第一営業所、第二営業所、横浜営業所にて営業展開しています。
 会社全体としては卸部、工事部、防水リニューアル部の三営業部体制となっています。

 さて、当社の長い歴史において時代が変革する出来事が多々ありましたが、まさに現在はそうした時期にあると感じています。この二年間は新型コロナウイルスにより制約を強いられ、特に卸部では大きな影響を受けました。今年度もコロナとの闘いは続きますが、それに加えて自然災害、原材料の高騰、労働力不足などが重なり業界全体で課題が山積となっています。

 その中でも特に大きな問題として捉えているのが人の問題です。
 一つは技能者不足です。若手技能者の確保が難しい状態が続いています。当社では工事部と卸部を別体制で運用していますが、技能者不足の対策として、まず工事部では協力会社による若手技能者の育成を支援するとともに、建設キャリアアップシステムを活用しながら技能に応じた処遇改善を進めています。また技能者の社員化も検討しなくてはなりません。一方の卸部も同様の対応が必要ですが、当社だけでなくお得意先様も技能者不足が深刻化していますから、業界一体となった取り組みが不可欠と感じています。

 また、人の問題は技能者だけではありません。大手メーカーも含めてこの業界自体に若い人が目を向けてくれなくなっています。処遇だけでなく働き方などを転換しなくてはならないでしょう。



 もう一つの大きな問題が値上げです。コロナ禍の影響だけでなく、今後はウクライナ問題でさらに原油高、原材料高は加速するでしょう。内装材の価格も当然ながらさらに上がっていきます。問屋という立場からは心苦しい面はありますが、鉄鋼や石膏ボードが値上げされている中で、内装材だけ上げられないようでは、この先浮上はできません。業界全体で製品価格、施工費をしっかり上げていく、言い換えればモノの価値、そしてヒトの価値を考え直し、現状のコスト構造を見直す機会にしていかなくてはなりません。

 当社としましても、「継続は力なり」をモットーに、品質第一、顧客第一、信用こそ商い、という一貫した姿勢と伝統を携え、新たなる挑戦をしながら最大効率を考えて取り組み、お得意先様に安心と安定した質の高いサービスを提供していきます。この業界の転換期を、お得意先様とともに乗り越え、成長していきたいと思っています。(談)

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