前号では、「第59回技能五輪」のデモンストレーションとして実施された「内装仕上げ施工競技大会」をレポートしたが、その表彰式が執り行われたステージは、実は東京都主催のイベント「ものづくり・匠の技の祭典2021」(オンライン開催)のメインステージでもあった。
このステージ上において、「内装仕上げ施工競技大会」表彰式に先立って行われたのが、東京内装仕上技能士会(飯島勇会長)による実演プログラム「内装仕上げの匠たちによる経師貼り」だ。同実演では、ステージバックの壁面に貼られていた白い壁紙を剥がすと、裏側からデジタルプリントが施されたデザイン壁紙が出現、さらにその壁紙も剥がして、もう一方の壁面に再び貼るという驚きの演出が行われ、壁紙が与える空間への影響の大きさと、技能者のスピーディーな貼り替え技術を大いにアピールした。
司会を務めた、お笑い芸人・フルーツポンチの亘健太郎さんは、大工のアルバイト経験もあり、下地をまったく傷つけずに壁紙が簡単にきれいに剥がれたことに対して、とても驚いていた。
この実演で使用された壁紙は、石川県白山市の内装工事業者・(有)中部ワークス(河端三郎会長)がゼロから開発した「簡単不織布(かんたんフリース)」である。
その名前の通り、裏打紙にフリースを用いて、その上に塩ビ層を乗せた壁紙で、裏打紙にフリースを用いることで通常の壁紙にはない剥離性を実現、その剥離性能も、糊を選ばず、通常の壁紙用糊で簡単に剥がすことができるという。また寸法安定性も高く、施工後の浮きや隙き、剥がれを抑制するなど非常に高性能な壁紙に仕上がっている。
きれいに剥がれた下地に驚くフルーツポンチ・亘さん
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