コロナ禍により、新しい働き方として、テレワークが社会に定着しつつある中、菜インテリアスタイリング/日本インテリア健康学協会(JIHSA)代表の尾田恵氏が「インテリア×健康学」の視点で、最高のテレワーク空間をつくるための25のルールを解説した書籍『~光とインテリアで整う~最高のテレワーク空間』が10月1日、実業之日本社から発売される(256ページ、税込1650円)。
尾田恵氏は、本紙でもしばしば紹介しているように、アクティブケアを提唱し、光過敏とインテリアの関係などを研究、住宅や介護福祉施設等の提案で実践する一方、医学系大学院で公衆衛生を学び、学会発表も行なっている。同書は「テレワークになって、なんか身体の調子が悪い」「うちは狭いからテレワークに不向き」「テレワークではONとOFFのメリハリがうまくいかない」といった声に応え、尾田氏が長年の経験と知識に基づき、具体的に解説したもの。
内容は、
1章 最高のテレワーク空間をつくる#Rule25
2章 光とインテリア、そして健康の深い関係性
3章 「カラダとココロ」が喜ぶ光とは
4章 ちょっとの工夫&テクニックで光を味方に!
5章 光以外でも! テレワーク空間のインテリア方程式
6章 知っておきたい空間デザインメソッド
……という構成になっている。ご存知のように、尾田氏はこれまでも、学術的な検証も踏まえ、照明の光が片頭痛の起因となったり、増悪させたりする“光過敏”の問題を指摘し、対策を空間提案とし実践して来た。
昨今のリモートワークでは、特にZoomの会議で自分の顔色が良く見えるように、“女優ライト”を当てることが流行っているわけだが、これは心と身体に良くない面もあるよう。
そこで同書では、これまでの知見を25のルールとしてわかりやすく提示。①光過敏には低照度&低色温度の光が◎、②コントラストよりグラデーション、③チカチカする柄は避ける、④テレワーク空間はカフェがお手本、⑤目の疲れには、周囲の明るさをチェックする、などすぐにできる、間接照明の使い方やインテリア作りの観点からアドバイスし、
インテリア(Interior)×公衆衛生(Public Health)=健康
という方程式により環境から“整える”ことで心身へ与えるメリットを解説している。
また、コロナ禍以降の部屋選びにおいては、必ずしも通勤の利便性が重視されなくなって来たが、尾田氏はこうした「駅遠」「坂道」「階段あり」といった、従来避けられて来たような物件を、NEAT(非運動性熱産生)を増やせる“健康優良物件”であると積極的に捉えている点も面白い。
著者が長年インテリアの仕事で培った知見を、意匠的な美に止まらず、心と身体の健康づくりへと活かしている点は他にない。一般読者はもとより、プロのアイデアブックとしても活用できるのではないだろうか。
尾田恵 氏
「インテリアを健康に役立てるためには、医療との融合が必要です。環境を要因とする疾病の予防を実践する上で、インテリアのスキルが役にたつと考えました」
「最高のテレワーク空間をつくるメソッドは、テレワーク中の健康はもちろん、暮らし全体の『時間価値を高める』ことを目的としています。『魅せるインテリアから、人を健康へ導くインテリアへ』。本書ではテレワークにスポットを当てましたが、新築やリノベーションなど、人生において住まいを変えるタイミングで本書を手にとっていただき、テレワーク環境でのセルフケアが身近なものとなり、新たな健康づくりの一歩がスタートする読者が一人でも多くいれば嬉しく思います」
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