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2021年7月13日
【シリーズ この人に聞く】
一般社団法人日本テキスタイルデザイン協会 理事長 大場麻美氏
世界のテキスタイル市場の大変革期 今後の在り方をセミナー等で発信



 当協会(TDA)は、インテリアやアパレル関連のテキスタイルデザイナーによって1995年に設立された団体で、今年で創設26年目を迎えています。

 私自身は2020年1月に理事長を拝命し、新しい体制のもと、①日本文化の発信と会員のデザイン活動の発信・支援の推進、②社会貢献と世界に向けた日本のテキスタイルを発信していくための体外的な活動の推進、という2点をテーマに掲げて活動しています。

 さて、現在TDAにはインテリア、アパレルのデザイナー、学校の先生、作家・アーティストなど多様な立場の方々が賛助会員含めて約百名在籍しています。そのため同じ方向に進むことは難しくなっていますが、一方ではライフスタイル提案という大きな枠組みの中で業種・職種の垣根がなくなってきていますから、近年はより大きな視点からテキスタイルの在り方そのものを一緒に考えるようになりました。テキスタイルをマテリアルとして捉えたとき、多様なメンバーで構成されるTDAの存在意義がでてくると考えています。

 そうした議論の中で導かれたものをお伝えすべくさまざまな事業を計画しています。その一つが今年4月から毎月開催しているオンラインセミナーです。


大場麻美 氏

 実は2020年を境に世界のテキスタイル市場が大変革期を迎えています。
 これまでTDAではハイムテキスタイルやメゾン・エ・オブジェなど海外見本市の視察を長年続けてきましたが、2020年にほぼすべての見本市でテキスタイルの表現方法が変化しました。

 一言でいえばサステナブルです。これまでも環境配慮は言われ続けてきて、それを考慮しなければ地球に住めなくなるという危機感はありました。それでも過渡期という言葉で先送りにされ、具体的な行動にはなかなか移されませんでした。
 それが2020年に開催された見本市で一斉に実行されたのです。まさしくターニングポイントでした。この劇的な変化を日本のテキスタイル業界の方々にお伝えしなくてはならない。そうした思いからスタートしたのがオンラインセミナーです。

 セミナーでは「激変する時代の中、その先のテキスタイルの在り方」という大テーマを掲げ、これまで3回にわたって、サステナブルのモデルとなる北欧デザインの考え方、デジタルデザインの在り方などを解説してきました。7月以降も時流に合わせたテーマで展開していきます。

 また7月13日〜18日には練馬区立美術館にて『生地耳deつくる』を開催します。工場で捨てられる生地耳を活用したアップサイクル作品を展示するもので、これもサステナブルなテキスタイルの在り方というTDAからの提案です。
 この他にも、世界に認められた日本のテキスタイル産地を伝統や技術、SDGsの視点からフォーカスしHP等を通じて紹介、事業の柱である海外トレンドセミナーもコロナ禍で新しい形での開催を計画しています。

 名前に「テキスタイルデザイン」という言葉の付く公的団体は日本に一つしかありません。日本のテキスタイルの未来のために少しでも何かを残したい、という思いで理事、執行委員の方々と共にこれからも活動していきます。(談)

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