特集

本紙紙面

第1回 販促は「打ち手」ではない



 「とりあえずチラシをつくろう」
 「今はSNSをやるべきだ」
 「紙媒体の販促は効果がない」

 こうした声を、インテリア専門店関係者から何度耳にしてきただろうか。しかし、ここには大きな誤解がある。販促とは、打ち手のことではない。

 販促とは、組み立てで9割が決まるものである。

 成果が出ないとき、多くのインテリア専門店は媒体を変えようとする。チラシがだめならDM、DMが反応しなければWEB広告、今度はインスタ。しかしそれは、道具を入れ替えているにすぎない。

 本来考えるべきは、「どの海で、どの魚を、どのタイミングで釣るのか」という設計である。商圏を定め、狙うターゲットを絞り、その顧客が今どの段階にいるのかを見極める。さらに「なぜ今なのか」という理由を設計し、来店までの動線を一本の糸でつなぐ。そこまで決まって初めてチラシやSNSといった媒体に意味が生まれる。

 地域密着型インテリア専門店にとって、販促とは単なる告知活動ではない。市場が縮小する中で、顕在化していないニーズを掘り起こし、地域に需要を創出する行為である。設計なき販促は単発で終わり、設計ある販促は資産になる。

 本シリーズでは、販促を「釣り」に例えながら、その設計プロセスを九つの視点で整理していく。

 まず、どのエリアで戦うのかという「海(商圏)」の設定。次に、誰に絞るのかという「魚(ターゲット)」の明確化。そして、その顧客が今どの検討段階にいるのかという「深さ」の見極めである。さらに、「なぜ今なのか」というタイミングの設計、来店までの動線づくり、媒体(道具)の選定、心に刺さるメッセージ設計、予算と回数の考え方、そして「やらない販促」の決定まで。

 販促は単発の施策ではない。9つの視点が一つの設計図として連動したとき、初めて成果は生まれる。

 本シリーズでは、各回一つのテーマを取り上げ、理論と実例の両面から、地域密着型インテリア専門店にとって再現性のある販促設計を提示していく。

 次号は、最初のステップ「海」、すなわち商圏と戦うフィールドの明確化について考える。




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インテリアビジネスニュース2月25日号発行