特集

本紙紙面

2026年3月25日配信

【シリーズ インテリア専門店の販促を考える 第2回】
海――商圏を決められない専門店は勝てない



「集客ができない」、「最近、反応が鈍っている」、「チラシを撒いても問い合わせがない」。こうした声の裏に共通した問題がある。それは、どの「海」(商圏)で戦っているのかを決めていないことだ。

 前回、販促は「打ち手」ではなく「設計」であると定義した。その設計の最初の工程が「海」、すなわち商圏設定である。ここが曖昧なままでは、どのような販促活動を行っても安定した成果は得られない。

商圏は距離ではない



 多くのインテリア専門店が商圏を「車で20分」、あるいは「半径5キロ」などと設定している。しかしそれは、ただの地図上の円にすぎない。商圏とは距離ではなく、自社が勝てる可能性のあるフィールドの定義である。

 例えば、築3年以内の新興分譲地。見た目は整い、生活する世帯も若い。インテリア市場としては魅力的に映る。しかし実際には、大きな困りごとが顕在化していないケースが多く、まだ「買う理由」が発生していない。ここは「きれいなエリアだが食いつかない海」である。

 一方で、築15〜25年の戸建住宅が密集するエリアはどうか。外壁の劣化、水回りの更新、カーテンの掛け替え、床鳴り。こうした現実的な課題が積み重なっている。

 どちらの海が魚を釣りやすいのかは明白である。

 単に距離で商圏を決定していては、この見分けをすることができない。そうであるのに、一律に販促を行えば、思うような反応が得られない。反応が悪ければ媒体を変える、チラシがだめならDMにする。それもだめならWEB広告。さらにはSNS。しかしそれは、竿(道具)を変えているだけで、海については、一度も検証されていない。

 「紙媒体は効果がない」、「今はSNSの時代だ」。本当にそうなのだろうか。海が間違っている可能性を真剣に考えたことはあるのだろうか。

 商圏設定とは本来、どのエリアに、どの住宅特性があり、どの世帯が、どの段階にいるのかを読み解く作業である。それをせずに打ち手だけを変えていく。それは戦略ではない。ただのギャンブルである。

自らの「船」の大きさを把握する

 海を決める前に、前提としてしっかり把握しておかなくてはならないことがある。それは自らの「船」の大きさ、すなわち会社の規模のことだ。

 海を見渡せば、近くには大型量販店、いわば巨大な漁船がいくつも押し寄せ、大勢の乗組員が大きな網を用いて、魚を一網打尽にしようとしている。空を見上げれば、ネット通販業者が大挙して襲来し、魚を一本釣りしようと虎視眈々と狙っている。こうした業者の場合、それこそ商圏設定は距離でも何でも構わない。極端に言えば、なくてもいい。

 一方、インテリア専門店という「船」はとても小さい。乗組員も数名だ。予算も限られている。当然ながら、巨大漁船と同じことはできない。

 それなら巨大漁船の網の届かない場所、あるいは網をすり抜けた魚など、より精密でピンポイントな商圏設定が求められる。

 まずは自らの「船」の規模を理解し、それに合わせた詳細な商圏設定をすべきなのである。

前へ 1 2

インテリアビジネスニュース購読案内

インテリアビジネスニュースは、インテリア専門店動向をはじめとするインテリアビジネスの最前線情報から消費者動向に至るまで、幅広く、深くインテリアビジネスに関する情報を発信しています。
より詳しくインテリア業界を知るための必携の専門新聞です。

  • ご購読のお申し込み
  • サンプル紙ご請求

IBNewsグループサイト

インテリアビジネスニュース
月2回発行
インテリア業界専門新聞
カーテン買うならこのお店
カーテンショップ選びの
総合情報サイト
カーテントレンドニュース
カーテン業界の
トレンド情報等を発信中!

Get ADOBE FLASH Player
当サイトでは、一部FLASHを使用しております。ADOBE FLASH Player をお持ちでない方は、左バナーをクリックしてダウンロードしてください。

インテリアビジネスニュース3月25日号発行