本紙紙面

2025年11月10日配信

【特集ハイムテキスタイルトレンド2026】
2026年のトレンドテーマは「Craft is verb(クラフトは動詞である)」
いかにAIをデザインに活かすのか

トレンドブック表紙
トレンドブック表紙

 世界最大級のホームテキスタイルおよびコントラクトテキスタイル国際見本市「ハイムテキスタイル2026」(主催・メッセ・フランクフルト社)が、来る2026年1月13日〜16日の4日間、ドイツ・フランクフルト国際見本市会場にて開催される。
 今回は、65カ国・地域から3100社を超える企業が出展、カーペット・ラグ関連の出展者が増加するなど規模を大きく拡大させての開催となる。
 また世界的デザイナー兼建築家であるパトリシア・ウルキオラ氏のインスタレーション「among-us」も継続、AI主導のデザインによる革新的な空間提案に期待が高まる。

 そして注目のハイムテキスタイルトレンドは、前回に続きイタリアのデザイン事務所「アルコバ」が担当、「Craft is verb(クラフトは動詞である)」をテーマに、最新テクノロジーであるAIとモノ作りやデザインの本質的な関係性を展開する。

 本紙では、今年もハイムテキスタイルトレンドアンバサダーの南村弾氏(ieno textile主宰)によるトレンド事前解説を掲載する。
 なお、「JAPANTEX 2025」会期初日には、南村弾氏によるトレンド解説セミナーも行われる。その事前情報としても、本記事を参考にされたい。
 

■南村弾氏インタビュー

南村 弾 氏
南村 弾 氏

 現在、社会のあらゆるシーンで議論を支配しているのがAIです。この新技術は、テキスト生成、画像生成だけでなく人間の感情を理解し、共感しながら応答することも可能です。これはテキスタイルデザインの世界にも、非常に多くの問いを投げかけています。

 AI活用が進む中で、デザイナーやコーディネーターの仕事はこの先どうなっていくのか、今回のハイムテキスタイルトレンドは、その一つの指標になるものです。歴史を振り返れば、19世紀の産業革命のときは機械が職人を脅かし、「人間対機械」の構図が表れ、その中でアーツ・アンド・クラフツ運動のような手仕事への回帰が生まれました。20世紀以降も、工業化の加速に対して手仕事の再評価が行われています。つまり歴史的に自動化と手仕事への回帰は振り子のように繰り返しています。

 現在のAIも、まさにこの歴史の延長にあるわけです。

AIと手仕事の「せめぎ合い」から「融合」へ
AIは人間の感性を高めていく存在になる

 今回のハイムテキスタイルトレンドで示されたテーマ「Craft is verb(クラフトは動詞である)」に込められている思いも、「手仕事への回帰」に他なりません。
 「Craft is verb」は完成品としての「モノ」ではなく、作るという行為そのものを示しています。

 AIは人間の手仕事を拡張させる可能性を秘めています。機械が人間を代替するのではなく、人間の感性を高めていく存在となり得ます。AIを拒絶するのではなく積極的に取り込み、自らの表現に活かしていくことが求められています。

 その意味で、「Craft is verb」というテーマは、AI時代においても創造の核心は「手を動かすこと」、「経験を積むこと」であり、そのプロセスが価値であり、常に進行中の行為であるということです。

 いわば「AIと手仕事の融合」ということになりますが、単なる融合ではなく、AIとデザイナーの間に生まれる「せめぎ合い」や「緊張感」といったものを新しいデザインの源泉にするという、より強いメッセージ性が込められています。

 その中で、具体的なデザインカテゴリーが6つ提示されました。




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インテリアビジネスニュース11月10日号発行