漫画本をテーマとするコンセプトホテル
リノべる(株)(山下智弘社長)は、事業主である(株)ジェイアール東日本都市開発(根本英紀社長)と、ホテル運営者である(株)dot(御子柴雅慶/吉玉泰和共同代表)との協業により、ジェイアール東日本都市開発が所有する、日本橋馬喰町のGate4ビルを利活用し、漫画本をテーマとするコンセプトホテル「MANGA ART HOTEL, BAKUROCHO」へリノベーションし、4月1日にオープンする。同ホテルは、インバウンドの長期滞在を狙った広い客室を特徴とし、最上階の7階にはドロップインでも利用可能なシェアオフィス「MANGA AND BOOKS WORK LOUNGE」(JR東日本「STATION WORK」提携店)も併設している。
1972年に事務所用途で建設されたGate4ビルは、2013年に耐震補強工事、2016年にはコンバージョン(用途変更を伴うリノベーション)が実施され、ドミトリー型ホステルとして運営されてきたが、コロナ禍を機に営業を停止。所有者であるジェイアール東日本都市開発は今後の活用を模索する中、リノベるでは、ビルのエリア特性やマーケット環境、法与件整理を踏まえ、“REAL” JAPANESE LIFE STYLE HOTELをコンセプトに、既存用途でのバリューアップを提案、「MANGA ART HOTEL」ブランドを手掛けるホテルオペレーターdotをマッチングし、同プロジェクトをスタート。事業主であるジェイアール東日本都市開発が全体統括と投資を行い、リノベるは、事業企画から、設計・施工、運営マッチングを担当。竣工後は、dotが当ホテルとワークラウンジを経営・運営していく。
ちなみに、このGate4ビルは、JR総武快速線「馬喰町駅」4番出口直結、都営地下鉄新宿線の馬喰横山駅からは徒歩4分、都営地下鉄浅草線東日本橋駅B4出口からは徒歩5分。羽田空港、成田空港、東京駅とのアクセスも良好で、インバウンド観光客が利用しやすい立地であり、アートやデザインによるまちづくりで注目を集めるエリアに立地すること、ホテル業界は回復基調にあり今後のマーケット拡大が見込まれるものの、民泊の拡充や新規ホテル出店も多数予定され、差別化や単価の維持が重要であること、さらに、ビルの特徴及び既存用途、法的与件を踏まえて、1階をホテルフロント、2〜5階を1フロア1室の客室、6階を倉庫、7階をワークラウンジとしたという。
客室は、インバウンドの長期滞在やグループ滞在を意識した、暮らすように滞在できるLDK付客室としており、約60平米、天井現しにすることで確保した天井高2.8mの開放的な空間に、LDK、シャワー・洗面スペース、バンクベッドを設え、最大12名が快適に宿泊可能な客室とした。また、新しい本や漫画との出会いを促すため、ディスプレイスペースを各所に用意、内装も本や漫画が映えるシンプルな仕上げとし、ナチュラルでリラックスできる空間としており、随時2000冊の紙のマンガ本を用意し、ホテルに滞在すること自体を旅の目的として、1日中漫画を読み耽ってもらいたいとしている。また、これに加えて、1室だけの特別な客室として、寝台特急の寝台や什器等を再利用した「寝台ルーム」も開設、電車での旅気分が味わえる仕様としているという。
なお、“漫泊”をアイコンとする「MANGA ART HOTEL」は、小川町のカプセルホテル型「MANGA ART HOTEL, TOKYO」、BOOK HOTEL神保町内のルームサウナ付特別客室「MANGA ART ROOM, JIMBOCHO」を含め3店舗目。馬喰町では既に、4月前半までに約7〜8割の予約があるとのことで、これまで少なかった韓国、中国といったアジア圏の団体客需要にもリーチ出来ているという。宿泊者のグループ人数としては、5〜6人が最も多く、日本人は一泊二日が多いという。今後は、予約時に読みたい漫画を聞き、事前に用意していくサービスや、漫画出版社とのコラボ企画も検討していければとしている。
寝台特急の寝台や什器等を再利用した「寝台ルーム」
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