ファインクレスト南荻窪
(株)リビタ(長谷川和憲社長)は、(株)遠藤照明(遠藤邦彦社長)と協業して、自然光を再現する遠藤照明の次世代調光調色シリーズ『Synca』を用いた照明計画を施し、1日の時間の経過とともに移ろう陽光を室内で再現することで、健康という視点からウェルビーイングを叶える、健康に寄り添う住まい『ファインクレスト南荻窪』を6月末に竣工した。
これは、事業・プロジェクトを通してサステイナブルで豊かな未来づくりを実践していくため、一歩先の当たり前を価値づくりの基準として示した「くらしのスタンダード-ReBITA Sustainability Standard-を提唱するリビタと、人と地球にやさしい未来の光」を実現するためにチャレンジを続ける遠藤照明と、暮らしのサステイナビリティやウェルビーイングに対する考え方が合致したことで、健康に寄り添う住まいの開発をすべく、協業に至ったもの。この『ファインクレスト南荻窪』では、健康」を「暮らす人の心身が満たされた状態」であると再定義し、「朝になると目覚め、夜になると眠る」という人間本来の規則正しい体内リズムに沿って生活することで身体を整え、「食べる/寝る」といった具体的な生活シーンに当たらない「余白」の時間を豊かにすることで心を満たす暮らしを提案している。
現代人の多くは、日中を室内で過ごすようになったことで陽光を浴びる量が減る一方、夜間に照明から大量の光を浴びる生活を送っている。コロナ禍においてその傾向はますます顕著となったが、本来、適切な時間に適切な量の光を浴びないと、人間の体内リズムは乱れ、睡眠を促すホルモンであるメラトニンが正常に分泌されず、睡眠障害をはじめ、肥満・うつ病・認知症といった、様々な疾患や健康リスクを引き起こす可能性があり、奈良県立医科大学での実験によると、夜間の平均照度が高い場合、肥満症の割合が約1.9倍、脂質異常症の割合が約1.7倍も高くなるとされている。人間本来の体内リズムに沿って、規則正しい生活を送ることは、私たちの健康維持に欠かせないもので、光はそれを整える上で最も重要な要素であるという視点から、照明計画と建築デザインという2つの側面から健康に寄り添う住まいへのアプローチを考えたという。
次世代調光調色シリーズ『Synca』
次世代調光調色シリーズ『Synca』は、ろうそくの光から青空光までの「自然の光」・色味調整・カラー演出を1台の照明器具で実現できる、新しいLED照明。一般的な照明の色温度範囲が2700K〜6500Kであるのに対し、焚き火やろうそくの1800Kから青空光の12000Kまで、今まで実現できなかった幅広い光色選択が可能であることに加え、囲炉裏の赤、木漏れ日の緑など、空間に馴染む自然なカラーライティングで、日常に季節感を取り入れることも可能である。屋外と室内環境がシームレスに繋がり、住まいの中にいながら、自然と人間本来の体内リズムに整えることが出来、睡眠の質の向上や健康維持を促すという。
同物件では、『Synca』を住戸の中心に据えたダイニングに用い、床材には屋外を想起させる自然由来のものを選ぶことで、ダイニングを中庭のような空間へと設えており、その他の素材も、光と影の濃淡を美しく見せるものや、手触りの良いものを採用した。さらに、室内の光環境を照明でコントロールすることは、心地よい空間づくりと同時にエネルギー(電気代)の削減も可能にするとのこと。白い爽やかな高色温度の光は涼しさを、電球のような温かみのある低色温度の光は暖かさを感じさせるといった心理効果「クルーゾフ効果」を活かして人の体感温度に働きかけることで、エアコン等の設定温度を抑え、エネルギー効率の改善を促すとしている。
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