南信州 高羽町の家
YKKAP(株)は、地域に根差した工務店として長野県飯田市で住宅建築業を営む(株)U建築と共働し、中古戸建住宅の性能向上リノベーションを実証するプロジェクトとして、「南信州 高羽町の家」に取り組み、このほど完成した。
同物件は、長野県飯田市の中でも早期に区画整理された地域の一画に建つ築50年の住まいで、一般的な新築住宅を上回る「断熱」と「耐震」の性能向上にこだわったハイレベルなリノベーションを実施した戸建住宅である。周辺地域の景観も意識した和モダンでスタイリッシュなデザインにリノベーションした。
高い断熱性能を実現するためには、住まいの中で熱の流出入が最も多い「窓」や「ドア」の選択が重要となる。同物件では、YKKAPの高性能樹脂窓「APW 430」「APW 330」と、断熱玄関ドア「ヴェナート D30」D2仕様を採用し、住宅の断熱性能は改修前の約10倍に向上(UA 値:改修前3.70W/平方メートル・K ⇒ 改修後0.34 W/平方メートル ・K)、冬場の室内での体感温度が概ね13℃を下回らないとされるHEAT20 G2相当をクリアすることで、冬場のヒートショックのリスクを軽減し、健康で快適な居住空間と高い省エネ性を実現した。また「顔認証キー」や「スマートフォンとの連動」で施解錠ができる玄関ドアを採用し、防犯性と利便性も向上させた。
耐震性能向上では、YKK APの開口部耐震商品「FRAMEII」を採用し、窓の開口面積や窓数を減らさずに開口部の耐力壁量を増やし、耐震性能(改修前 評点0.32⇒改修後 評点1.66)を高めた。
飯田市は「リニア中央新幹線」の停車駅の予定地にもなっており、魅力ある地域として注目を浴びているエリアだが、空き家問題は深刻であり対策が課題となっている。同物件はテレワークの浸透による新たな生活スタイルや新築同等の居住性を求める子育て世代を想定した3LDKプランの物件で、自治会を含めた地域への働きかけにより、誰も住まない・住む予定のなくなった空き家問題の解決策の一つのモデル物件として活用していく予定。
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