序章「時の間」の空間
(株)川島織物セルコンは、12月16日(月)まで国立新美術館で開催中の「カルティエ、時の結晶」展(主催:国立新美術館、日本経済新聞社/特別協力:カルティエ)の会場を構成するファブリックを提供した。
「カルティエ、時の結晶」展の会場構成を手がけるのは杉本博司氏と榊田倫之氏による新素材研究所。展覧会のプロローグとなる序章「時の間」では、新素材研究所と川島織物セルコンが共同開発したファブリックが幻想的な空間を彩っている。
新素材研究所としても初めての試みであるファブリックを用いた空間表現として、「鉱石が眠る深い地底にわずかな光が差し込むイメージ」を、川島織物セルコンが誇る織技術を駆使して制作した。
天井から筒状に垂らされスポットを当てられた12本の光の柱には、風通(ふうつう)織(二重織)を採用し、約8メートルのグラデーションを実現した。また暗闇を表現した黒いファブリックは西陣織の「羅」の透け感をイメージして制作、透過度の高い黒色のファブリックを重ね合わせることで空間の奥行を表現した。西陣の伝統技術「引箔(ひきばく)」を応用してラメ糸を織り込み、ジュエリーにも似たきらめきも表した。
■ファブリック概要
光柱(白いファブリック)
組成:ポリエステル100%
種別:ジャカード織物
概要:風通織という二重織の組織を用いたファブリック。上部から下部に掛けて光の透過量に連続的な変化を持たせるため、ファブリックの厚みに変化をつけ、8 メートルのグラデーションで表現した。
暗闇(黒いファブリック)
組成:ポリエステル100%
種別:ジャカード織物
概要:羅のような透け感をイメージし、緯糸に光沢のあるフィルム糸を使用してきらめきを表現したジャカード織物
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