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　エンドユーザー、あるいは住宅メーカー、設計事務所などとの打ち合わせのあと、具体的な提案をするために生地サンプルを取り寄せる。さらにはそのサンプルを利用してプランニングボードを製作する。インテリア従事者にとっては、ごくごく日常の業務風景である。

　しかしながら、サンプルの手配は案外手間がかかるもの。1社だけならそのメーカーに依頼すれば済んでしまうが、たいていは数社にわたることになる。またメーカー別に依頼方法も異なり（メールだったりFAXだったり）、そのメーカーの受付方法に沿って依頼していかなくてはならない。1つひとつの作業は単純でも、積み重なれば作業量は多くなり、複数の現場を抱えているなら大きな負担になってくる。

　こうした負担を大きく軽減できるツールが登場した。サンプル一括発注システム「FABWAY（ファブウェイ）」である。

　「FABWAY」とは、カーテン、壁紙、カーペット、床材のカットサンプルをメーカー横断的に一括で手配することができるシステムである。これまでメーカーごとに依頼していたサンプルを、「FABWAY」ならワンストップで手配できるため、日常業務の負担が大幅に軽減できるのだ。

　「FABWAY」を開発・運営するのは、主にハウスメーカーやマンションディベロッパーにオーダーカーテンを提案・販売する(株)コルティナ（齋藤康明社長／東京都国立市）だ。約2年前から試験運用を開始し、今年4月より全国のインテリア専門店、インテリアコーディネーターなどプロユーザーへの公開を開始した。

　「当社も今までは各メーカーから個別にサンプルを取り寄せてきました。非常に手間がかかる作業でしたから、これが1つの窓口に集約できれば便利になるはずだ、というところからスタートしました。開発からしばらくは、知り合いのインテリア専門店に協力をいただきながら試験運用を続け、使い勝手の改善や新機能の追加などをしながらシステム構築し、このたびの本格運用開始となりました」と開発意図や経緯について語るのは齋藤康明社長である。

　さて、煩雑だったサンプル発注業務をワンストップで一括して行える「FABWAY」。その利用方法も至ってシンプルである。

　まずトップページの「注文」タブから「新規注文」ページを表示、そこに「現場名」と「配達希望日」を入力してから「注文明細」より必要なサンプルの品番を入力する。「FABWAY」には各メーカーの製品情報がデータベース化されているため、品番を入力するだけでメーカー名、品種、見本帳名が瞬時に表示され、それをクリックすると「注文明細」にリストアップされる。2つ以上サンプルが必要な場合は、この作業を繰り返して行う。その際、違うメーカーであっても同一現場として同時に入力することができる。

　次に「配送先設定」から配送先を登録・選択し注文ボタンを押す。すると「FABWAY」から各社のサンプル担当窓口に情報が一斉に送信され、一気に注文が行われる。つまり「FABWAY」に入力し注文するだけで複数のメーカーへのサンプル発注が終了するわけだ。サンプルの配送先は複数設定することも可能で、自社と得意先に同時に送ることもできる。また注文履歴サンプル一括発注システム「FABWAY」メーカー横断的にサンプル発注が可能画像も一括ダウンロードも残るため、注文したかどうかの確認も容易に行える。

　さらに「FABWAY」では、注文したサンプルの画像が一括（Zipファイル）でダウンロードできるようになっている点も大きな特徴だ。

注文明細

　多くの場合、取り寄せたサンプルを活用してプランニングボードを製作することになるが、同時にサンプル画像（生地画像・施工画像）も必要になるケースが多々ある。これまでは各メーカーのホームページで1つずつ探してダウンロードする必要があったが、そうした手間も省けるようになるわけだ。ちなみに、「FABWAY」には最新の見本帳の画像データをデータベース化しているため画像収集という形でも活用可能だ。

　この他、トップページでは各メーカーのホームページやデジタルカタログにアクセスできるようになっている。今後は欠品情報、業界ニュースなども掲載し、さまざまな情報を一括で提供していくという。

　「インテリア従事者の方々が、一日の業務のはじまりに、最初に閲覧するようなポータルサイトにしていきたいと思っています。ぜひご活用ください」という齋藤社長。今年の「JAPANTEX 2024」にも出展し、「FABWAY」をPRする予定とのことである。

　なお「FABWAY」の利用は無料（ユーザー登録が必要）。ユーザー登録は下記より。