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特集

2012年9月9日
【連載】Interian Color――日本の美、伝統色
(社)日本パーソナルカラリスト協会 渡部尚子氏


茜で染められたスカーフです

はっきりとした理由はわからないのですが、ずいぶん前から機織りを勉強したいと思っていました。あの“鶴の恩返し”で鶴が織る、あの織り機です。5年ほど前にはじめて体験したとき、縦と横の糸が織りなす色の表現に、すっかり魅了されました。今では少し違った形で、勉強をはじめています。
最近、テレビ番組での特集などで、日本の伝統的な手法や技をもつ「匠」を紹介するのを多く見受けます。手先が器用な日本人は古来独特の文化を育み、さまざまな技を駆使してすばらしい作品を作ってきました。それはたとえば日常使用するような何気ないものであっても、緻密な作業、細かい細工、集中力、デザイン力、応用力、それらすべてが合わさって、芸術の域に達するほどです。インテリアやエクステリアの世界においても、昔からの細工やデザインをうまく取り入れ、活用されていることも多いと思います。

色の世界にも伝統があります。「伝統色」と呼ばれるこの色は、飛鳥時代、平安時代から親しまれてきた色です。多くが昔から染料として使われたものを色の名前としており、たとえば茜の根で染められる「茜色」は赤、鬱金草の根茎で染められる「鬱金色」は黄、そして藍草を発酵して「藍色」や「鉄色」「縹色」などの青が染められます。実は染料の産地や染め具合の関係で、伝統色には幅があります。写真のスカーフは茜で染めたものですが、その素材や染料の量、色落ちを防ぐために使用する媒染剤の違いなどで、さまざまな「茜色」が染められることになります。優雅でおおらかな日本の美、といったところでしょうか。
日本の伝統色でなにより特筆すべきは、平安時代の女性貴族の衣装、十二単衣です。何枚もの重ね着を特徴とするこの装束の、四季折々の自然の風情を重ねられた衣で表現される配色の美しさは、日本の豊かな自然と、それを愛でる日本人特有の繊細で雅な心が反映された、世界でも類を見ないものです。たとえば白を表現するのに、糸である絹をそのまま使用して「雪」、その絹を打って表面を広げ、光沢を出した「氷」といった具合です。「雪」の衣装の下にほんの少し「紅梅色」が覗く、その色の組み合わせは“雪の下”と呼ばれ、雪に埋もれた紅梅の花をあらわしたものです。

さて、オリンピック種目において日本の伝統、お家芸といえばやはり柔道でしょうか。「ジュウドウ」という言葉は世界共通語ですし、「イッポン」「マテ!」など、さまざまな国の人が日本語を口にするのは、少し不思議な感じがしました。ロンドンオリンピックにおいて、メダルの数という点では少々寂しい結果になってしまいましたが、あるテレビの解説者が「日本の柔道と海外のJUDOは違うスポーツのようだ」という言葉がとても印象的でした。

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