
ベンジャミン・ヤウ氏
香港貿易発展局(HKTDC)は、1966年の開設から今年で60周年の節目を迎えることとなりました。この間の大きな流れを振り返ってみますと、当初は、メイド・ イン・香港製品の輸出促進を主な目的として活動し、5年後の1971年には早くも東京事務所を開設、1981年には大阪事務所を開設しました。
次のステップは1980年代で、中国の改革開放政策を契機に、香港の製造業が中国本土に生産拠点を移転。香港域内における産業構造に転換が起こり、サービス業中心となったことに伴い、香港貿易発展局も、従来通りの貿易促進を続ける一方、物流・金融・デザインなど幅広い産業をサポートすることが目的に加わりました(現在、香港はGDPの93%がサービス産業です)。
香港返還後、中国経済が高度成長期を迎えた2000年以後は、中国企業をサポートしつつ、南中国のグレーター・ベイエリアにおける国際ビジネスのコミュケーションハブとして機能拡充を図り、あらゆる産業分野の国際見本市を開催しております。
香港におけるデザイン関連の見本市には、「ホーム・インスタイル」(4月開催)、「香港ギフト&プレミアム・フェア」「香港インターナショナル・ライティング・フェア」「デザイン・インスパイア」などがあります。
1つの大都市としては、金融、貿易、観光もさることながら、文化やデザインが大事だと私たちは思っており、デザイン関連イベントを様々に開催しています。国際ビジネスのハブとしての香港では、中国の文化、欧米の文化が出会い、融合し合っている点が特色で、香港ならではのデザインが生み出されていると言えるでしょう。
「ホーム・インスタイル」では、モダンデザインから伝統工芸品まで、幅広いアイデアを来場者にご紹介する場となっています。特に近年では、伝統工芸品を世界のマーケットに紹介するプラットホームとして認知されており、日本からも地方自治体などの出展が続いています。
「デザイン・インスパイア」は、様々な国のデザイナーのネットワーキングの場です。地理的に便利な場所にある香港では、こうした国際見本市や国際会議などが開催されるだけでなく、香港島に「PMQ」、西九龍文化特区に「M+」といったデザインやアート振興に特化した施設を設けるなど、香港を挙げて、ビジネス以外の、文化的な側面に注力しており、私たちも貢献するべく関連する見本市を開催しています。
香港の人口は現在750万人ですが、2024年、2025年と2年連続で、訪日客が250万人を超えました。観光、ビジネスなど様々な目的で、実に3人に1人の香港人が日本に来たことになります。長い港日関係の中で、これはかつてなかった数字で、日本に対する好感度は引き続き高いと言えます。
日本の様々な食品や日本酒が香港向けに輸出されていますが、家具インテリアについても、空間の1部でも日本的な設えを採り入れたいと考えるニーズは潜在的に多いはずです。
こうした中、香港貿易発展局大阪事務所の仲介で、メイド・イン・ジャパンのモノづくりと香港の先進的デザインが融合した非常にユニークな取り組みが行われました。これは、日本の建築金物メーカー(株)ユニオンと、香港のデザインスタジオOft Interiors LtdのCMジャオ共同代表とのコラボで、有機的なデザインが特徴の、これまでにないドアハンドルとして商品化し、2024年12月に開催された「デザイン・インスパイア」において世界デビューを果たしました。
香港のデザイナーは、新しいアイデアに対して、常にオープンマインドです。香港貿易発展局では今後、こうしたプロジェクトに、東京、大阪双方の事務所においても取り組んでいきたいと考えています。日本企業の皆様ぜひご相談いただければと思います。
2026年は、香港貿易発展局では、香港の本局をはじめ、世界51カ所の拠点ごとに、通年で様々な記念イベントを開催します。日本でも年内に東京と大阪で60周年記念イベントを計画しております。日本企業の皆様、香港とご縁がある皆様と、これまでの60年を振り返り、港日関係の未来について一緒に考えていく機会になればと考えております。よろしくお願いします。
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