ダイナミックジャカード
(株)スミノエ インテリア プロダクツ(村瀬典久社長)は、同社オーダーカーテンのメインコレクションである全点防炎の「mode SカーテンVOL.11」(全188柄476アイテム/うち新柄42柄99アイテム)を、7月22日(火)に新発売する。
「mode S」は新たな技法・技術、斬新なアイデアなどを先駆的に取り入れることでも知られるコレクションで、今回も随所にこだわりの提案が散りばめられている。
そのデザインコンセプトは「ensemble(調和)」。音楽で異なる音が調和し旋律を奏でるように、柄と無地、ナチュラルとクラシック、幾何と有機といった異なる要素を組み合わせることで、新しい価値を創造することを目指して開発された。
「今回もさまざまなチャレンジをしていますが、特に注目していただきたいのが、今や『mode S』を象徴するシリーズとなった『ダイナミックジャカード』、そしてニーズが非常に多くなっている遮光シリーズ『Sun shadow』です」と語るのは、同社MD部デザイン部の西田弦生課長である。
『ダイナミックジャカード』とは、タテリピート360センチ(生地幅150センチ)という、その名前の通りダイナミックなデザインが特徴のシリーズだ。現在、天井が高いリビングや吹き抜けスペースなどを取り入れた縦に大きく広がる住空間が増加、それにともない大開口の窓が増えている。そうした窓に対応するのが『ダイナミックジャカード』で、前々作(VOL.9)に初登場して大きな話題となった。
前作、前々作では超大柄のワンリピートデザインが提案されたが、今回の新作では、シンプル化する昨今の住宅デザインに合わせたグラデーション柄を発表した。単純なグラデーションではなく、太さや光沢感などの異なる糸を5種類使うことで、プリントでは表現できない織物ならではのゆるやかなグラデーション柄を表現しているのが特徴だ。
カラーは9配色。流れ落ちる滝の透明感をイメージしたライトブルー、山陰のような深みのあるリーチパープル、雲の隙間から差し込む光のようなイエローゴールドなど、自然の情景が思い浮かぶようなカラーラインナップとなっている。
上から下までのグラーデーションとなっているため、天地のどちらからでも使用でき、天地を逆にすることでまったく違った印象の空間を演出することが可能だ。
遮光1級カーテン
大胆なグラデーションプリント
もう1つの注目シリーズ『Sun shadow』において、同社の開発力が光っているのが、遮光1級ながら淡いカラーを実現した遮光カーテン(D8231-8234)である。一般的に遮光性能は、生地の色が濃いほど高くなる。淡いカラーで遮光1級の性能をもたせるためには、内側に織り込む黒原着糸の量を多くする必要がある。しかし本数を増やすほど生地自体が固くなり、美しいドレープは出にくくなる。そこで生地裏面に細かく縦の筋をいれることで裾の広がりを抑制、それにより淡いカラーの遮光1級を実現したのだ。
そして今回は、さらに新作として生地の厚みを抑えた新たな遮光カーテン(D8237-8239)を投入した。
「淡いカラーの遮光1級カーテンは、前作から取り入れ、お客様からも非常に高評価を得ています。大開口の窓が多くなっている中、次に求められるのは『薄さ』だと考え、今回の開発に至りました」
薄さを実現するために、内側に織り込む黒原着糸の太さを見直すことで高い遮光性能を有しながらも薄くて、淡くて、柔らかいという、相反する要素を実現させたのだ。
大開口窓に掛かったカーテンを開ければ、当然生地溜まりが大きくなる。厚みの薄い遮光カーテンならばその溜まりを少なくすることが可能となる。まさにニーズを先読みした新商品といえる。
この2シリーズ以外でも細部にこだわりを追求、例えば「Design Sheer」シリーズでは、刺繍を施して立体感を表現したカラーボイルを拡充した。一般的に刺繍糸にはレーヨンが用いられるが、全点防炎の「mode S」では使用できないため、ポリエステルの刺繍糸を自社開発、数年かけて色数を増やしていき、今回のラインナップの拡充につなげた。カラーボイルについては、さらにクラッシュ加工をプラスした繊細な生地、筆で描いたような大胆なグラデーションプリントなども展開する。
この他、ドビー織機を使うような無地をジャカード織機で複雑に織ることで質感にこだわったドレープシリーズ「Jacquard Drape」、機能性シリーズ「Functional Sheer」では、引っ掛かりによる目寄れを手で整えやすくするセルフフィックスや融着糸を用いて目寄れ自体を起こりにくくする特殊なカーテンもラインナップしている。
「お客様のニーズを考え、デザイン、質感、機能などを細部にわたって追求しました。ぜひ皆様のご商売にご活用ください」とのことであった。
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