カーペットでリラックス
隔靴掻痒(かっかそうよう)、憤まん焦燥とはまさにこうした状態のことを言うのでしょう。ダニアレルギーとカーペットが関係あるかのような動画を制作したNHKに抗議すると、「(そうした)意図はなく、またそのような内容にもなっていない」とそっけなく返され、シックハウス症候群予防に「カーペットの使用を控えよ」と主張する某大学准教授と書面で意見交換してもなかなか噛み合わない……。
「あー、ストレスが溜まるなぁ」と独りごちつつ、部屋の中をウロウロしていると、アラ不思議、徐々にストレスが和らいでいきます。
ふと床を見れば、そこにはカーペットが。「おぉ、カーペットよ、ありがとう。知らないうちに私の心を癒してくれていたのだね」。
お分かりいただけたでしょうか。カーペットにはストレス緩和、リラックス効果があるのです。当組合はそれを科学的に実証しました。連載9回目の今回は「カーペットでリラックス!」。冊子「新訂カーペットはすばらしい」の18~20頁も合わせてお読み下さい。
当組合は2012~2015年、三重大学大学院と共同で、「室内床材種の違いが人に与える影響」をテーマに実証実験に取り組みました。カーペットとフローリングを用い、被験者(男女42人、20~68歳)が各床材を10分間歩行した時のリラックス度を脳波計(α波、β波)と皮膚インピーダンス計で測定し、それらを解析・比較検討するというものです。
脳波計を使った実験では、42人中、約7割の32人がカーペット上を歩いた方が、リラックス時に現れるα波の含有率が多いという結果になりました(図1)。一方で、緊張時に現れるβ波の含有率は、フローリング上を歩行した時の方が多いと示されたのです。
手のひら上の発汗度合いを調べる皮膚インピーダンス値の測定実験では、これまた42人中32人がカーペットを歩いた時の方が発汗量は少ない(=リラックスしている)という結果が出ました。
新訂「カーペットはすばらしい」
また、これらの測定実験直後には、両床材についてどう感じたかを尋ねる心理アンケートを実施しています。カーペットについては「疲れを感じない」、「落ち着いた」、「心地よい」、「安心」などの印象を受けた人が多いことが分かりました。
以上のことから、脳波などの生理的な評価、及び心理的な評価のいずれにおいても、カーペットはフローリングよりも「リラックスを与える」床材であることが実証されたのです。
なお、この実証結果をまとめた三重大学大学院による論文「カーペットはストレスを緩和するか?」は海外医学系雑誌に掲載されました。
組合ホームページでは、その翻訳版、及び組合独自の技術研究報告書を載せていますので、是非ご覧ください。(日本カーペット工業組合事務局)
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