世界地図のデザイン「アニマルワールド」
ホテルや商業施設などのコントラクト市場を中心に需要が拡大してきたデジタルプリント壁紙であるが、コロナ禍でインテリアを楽しむユーザーが増えたことで、住宅市場にもそのニーズがジワリと増加している。
そうした中、(株)サンゲツ(安田正介社長)では、住宅向け壁紙見本帳「2022-2024 リザーブ1000」において、同社のデジタルプリント壁紙シリーズ「ハイグラフィカ」を、選びやすさを追求した「セレクトオーダー」システムを導入して販売を開始した。
デジタルプリント壁紙の特徴は、リピートの制約のない多色で大柄なオリジナルデザイン壁紙を、小ロットでつくれる点だ。子供の成長が感じられる身長計デザイン、子供の知育に活用できるデザイン、旅先の思い出の風景など、従来の壁紙では難しい「コト」のデザイン提案ができるのが魅力である。またブランドやデザイナーとのコラボレーションも、小ロットで生産可能なため既製品よりも積極的に展開できる。
このように自由にデザインを楽しめることができる反面、その自由さゆえに商品選びが難しくなるという側面もあった。
これまでの「ハイグラフィカ」シリーズでは、サイズやカラーのカスタマイズをいかようにも対応できるシステムだったが、実際の価格などが分かりにくいことが多く、プロユーザーならともかく、エンドユーザーにとってはハードルの高いものとなってしまっていた。
そこで住宅向け見本帳「2022-2024リザーブ1000」に掲載するに当たって導入したのが「セレクトオーダー」である。
「セレクトオーダー」は、1つのデザインに対して、あらかじめ基本となるサイズと価格、ベース素材が設定されており、好きなデザインをセレクトするだけでオーダーが可能なシステムとなっている。また、特設WEBサイトでは、施工後のサイズ感やイメージのヒントとして、リビングや寝室、子供部屋などの施工例写真を豊富に掲載している。この「セレクトオーダー」システムによって手軽で簡単なデジタルプリント壁紙選びを実現したのだ。
「セレクトオーダー」で選べるデザインは全341点。フィンランドのテキスタイルブランド「フィンレイソン」やムーミン谷に住む仲間たちの生活を描いた「ムーミン」シリーズ、北欧デザイナーによるデザインコレクション「SCANDINAVIAN PATTERN COLLECTION」といったブランドシリーズをはじめ、風景写真やアートイラスト、さらに名古屋造形大学とサンゲツの産学連携プロジェクトで生まれたデザインなど従来の壁紙にはない発想のデザインが多彩にラインナップされている。
「当社はスペースクリエーション企業を目指していますが、それをもっとも体現できるのが『ハイグラフィカ』でも、モノのデザインだけでなく、空間創造と『コト』のデザインを楽しんでもらいたいです。住宅市場も含めて多くの方にお選びいただきたいと思っています」(同社インテリア事業本部 壁装事業部の宗和佑磨氏)とのことだ。
身長計としても使える「ジョイフルツリー」
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