本紙紙面

2026年6月10日配信

【この人に聞く】
PROPOSTE会長(PARA社代表) マルコ・パラヴィチーニ氏
高品質を守り続けることがPROPOSTEの使命
高級インテリアテキスタイルの中心であり続ける

マルコ・パラヴィチーニ氏
マルコ・パラヴィチーニ氏

 「PROPOSTE」は、今から33年前、ヨーロッパの優れたインテリアテキスタイルメーカーを一堂に集める専門展としてスタートしました。大規模な総合展というより、ニッチで専門性の高い展示会であり、高級インテリアテキスタイル分野に特化した国際見本市として発展してきました。商社やトレーダーは出展できません。実際に織機や仕上げ設備を持ち、モノづくりを行うメーカーだけが対象です。

 出展企業については、5名の委員会で厳しく審査しています。本当に高品質なコレクションかどうか、価格帯も含めて確認しています。ここには安価でベーシックな商品はありません。本当に良い素材、良い技術を使った製品だけです。

 近年はヨーロッパ以外のメーカーにも門戸を広げていますが、「高品質なメーカーであること」という条件は変わりません。こうした厳格な基準を維持していることも、「PROPOSTE」の大きな特徴です。

 ここ10年ほどは出展者数が減少傾向にありましたが、今年は約90社まで回復しました。新規出展も10社ほど増え、会場スペースも100%埋まりました。ヨーロッパの大規模展示会がやや苦戦している中で、「PROPOSTE」が高級インテリアテキスタイル分野の中心的存在を担っていけると考えています。

 さて、今年の開催テーマは『Heritage Forward』です。出展企業の多くは、何世代にもわたるファミリー企業です。このテーマには、長い歴史の中で培ってきたノウハウやクラフトマンシップを未来につなげていく、という意味を込めています。

 ただし、伝統を守るだけでは市場には対応できません。いま市場では、環境性能や機能性が強く求められています。テキスタイル業界も、時代に合わせて変化していかなければなりません。

 昔のテキスタイル産業は、必ずしも環境に優しい産業ではありませんでした。しかし現在は、リサイクル素材や環境対応型素材への転換が急速に進んでいます。私たちが扱うのは、家の中で毎日触れる生地です。子どもたちが触れる素材だからこそ、安全で健康に配慮したものでなければならないんです。そうした中で、今年は会場構成にも新たな試みを取り入れました。「エセドララウンジ」という新しいラウンジの設置です。出展者から「もっと交流できる空間が欲しい」という声があったためです。

 商談だけではなく、人と人とのつながりをつくる場所となりました。このラウンジは著名な建築事務所によるデザインで、会期終了後には解体される期間限定の空間ですが、非常に良い反応でした。

 さらに今年は、新たな取り組みとして、イタリアの著名インテリア誌『Interni』との共同による『Interni PROPOSTE Awards』を初開催しました。

 家具とテキスタイルは切り離せない存在です。世界的家具ブランドのソファに採用された生地を対象に、家具とファブリックの調和性を評価しました。今後も継続していきたい企画です。

 日本は本当に重要な市場です。私自身、30年以上にわたり日本のマーケットと仕事をしています。日本の方々は、イタリアのデザインや品質を本当に理解してくれています。今年は世界情勢の影響もあり、日本からの来場者は減りましたが、日本の皆さんには引き続き「PROPOSTE」に足を運んでいただきたいと思っています。(談)

「PROPOSTE」公式サイト
https://www.propostefair.it

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