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特集

2015年12月23日
【連載】Interian Color――一クリスマスとポインセチア
(社) 日本カラリスト協会 渡部尚子氏


ポインセチア

 私が所属している日本カラリスト協会では、季刊の情報誌を発行しており、私もその編集に携わっております。12月に発行する情報誌の中に、ポインセチアの写真を載せる必要があり、画像を探しておりましたが、地元の花屋の店頭で少し珍しいポインセチアを見つけ、衝動買いしてしまいました。

 ポインセチアはクリスマスのこの時期、よく見かけます。赤い“花”が特徴的ですが、実は色づいている赤い部分は花ではなく苞で、花はその赤い苞に囲まれた中心に小さく咲いている黄色です。開花時期は冬なのですが、実は寒さが苦手で、風にあてるとすぐに傷がついてしまうほど、弱い植物です。ですから、室内の中でも昼間は陽のあたる窓辺に、夜は外からの冷却の当たらない部屋の中ほどに移動して、しかも暖房の風も苦手、土の乾燥にも注意、というかなり過保護な植物です。茎も弱く、少し乱暴に水やりをすると折れてしまいます。葉茎が折れると、白い少し粘りのある液体が出てきます。ポインセチアは花木ですので長い間楽しめるのですが、この時期に苞を赤くするためには日照時間を短くする必要があり、「陽が短くなって、もうじき花の咲く時期ですよ」と教えてあげるために、秋口から昼間は陽によくあて、夕方17:00~朝8:00頃までは、光を遮断した段ボールなどの中に入れておく必要があります。

 このように、なかなか手がかかる植物ではありますが、この時期には人気の鉢植えです。今では品種改良が進み、赤のほかに濃いピンク、薄いピンクや白、赤のマーブル模様など、また、赤でも苞の形が違うものなど、さまざまなポインセチアが流通するようになりました。

 先ほど、「ポインセチアは花木」と紹介しましたが、上手に育てるとどんどんと背が高くなります。葉は楕円形で柔らかいので、苞が赤くなっていない時期でも、観葉植物としてお部屋のインテリアに適しています。ところが、ポインセチアはクリスマス時期を過ぎると売れなくなっていまいます。これは私の花屋勤務時代の経験なのですが、12月24日を過ぎると、金額を割引しても売れ残ってしまうケースがとても多かったと記憶しています。
「ポインセチア=クリスマス」というイメージが強すぎて、これほどまでに印象的であるからこそ、本来ならば長く育て、楽しむことができるのにと、とても気の毒に思います。

 『印象』は空間づくりに欠かせないものです。カラリストはそれを主に色で表現しますが、そのほかにもアイテム、形、素材など、さまざまな要素が合わさって、『印象』を作り出すのだと思います。インテリアやエクステリアの『印象』は特に、多くのアイテムを使っての空間構成となるのだと思いますから、それぞれの要素、特徴をうまく調和させるところが、腕の見せ所ということになりますね。
 街がクリスマス色に染まってきました。Merry X’mas!

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