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特集

2015年7月1日
【連載】Interian Color――紫陽花(あじさい)は七変化
(社)日本パーソナルカラリスト協会 渡部尚子氏


紫陽花

 6月は機会があり、多くの紫陽花の写真を撮りました。色とりどり、花の形もさまざまな紫陽花は、私にとって格好の被写体です。紫陽花の花色は土壌の酸性度によって変化します。酸性の土ならば青、アルカリ性の土ならばピンク(赤)といった具合です。日本では比較的酸性の土壌が多いと言われていますが、庭木として植えられているもので、ほんの少しの距離があいているだけで、青とピンクのものを見かけたりします。あるいは、この紫陽花の性格をご存知で、土を改良しているのかもしれません。ちなみに写真の白い紫陽花は、変化する色素を持っていないため、どこに植えても白のままです。

 私にとっての紫陽花の魅力は、まさに花色の美しさです。実にさまざまな色があり、淡い色、鮮やかな色、蕾の頃が薄い緑、花形が大きくなるにつれて、その色は白っぽく変化します。さらにそれが色づき青、水色、ピンク、赤となるわけですが、これも淡い色から鮮やかな色、そしてだんだんと色が濃くなり、赤紫や青紫に変化します。中には季節を越えて花が枯れた状態でも、まるでドライフラワーのように形を保つ「立ち枯れ紫陽花」も登場します。

 このように魅力的な紫陽花なのですが、その花言葉は残念ながらあまりステキなものではありません。『移り気』は、花色が変化することによるものだと思いますし、『冷淡』や『高慢』は、特に寒色系である青い紫陽花の色から連想されているのかもしれません。一方で『辛抱強さ』はその花期の長さからつけられたのでしょうか。いずれにしても花言葉は諸説あり、さまざまな人がさまざまな観点から提言しているのでしょう。私にとっては紫陽花を見ても『移り気』や『冷淡』だとは思えず、あえていえば、はっきりとしないこの時期での『やすらぎ』だったり、心躍るような『無邪気』にさせてくれる、そんな花です。

 人によってさまざまな感じ方をするのは色も同じです。前回もご紹介しましたが、その人の感情や心理、歴史や文化的な要素で、色の感じ方は変わります。先日インターネットで見つけた記事には、世界的に有名なレゴブロックでは、戦車や戦闘機を子どもに作らせないために、緑のブロックを作らないという説がある、と紹介されていました。結果的にはこれは事実ではなく、レゴ社はもちろん戦争を子どものおもちゃにしないという考えはあるものの、緑のブロックを制作していないわけではないそうです。この記事で衝撃的だったのは「緑が戦争を連想させる」という考えです。緑といえば木々などの自然の色で、「安定・リラックス」などのイメージがあります。100人が100人ともに「緑=安全」と思っていないということを痛感しました。色は本当に不思議です。

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