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特集

2014年12月10日
【連載】Interian Color――奥深い色の名前
(社)日本パーソナルカラリスト協会 渡部尚子氏


ピンクのクラウン

 「好きな色は?」と質問されたとき、「青」「赤」と答えることが多いかと思います。しかしこの「青」というのも幅が広く、「水色」「青」「紺色」だけではなく、「青」という色の中には実にたくさんの色名があります。
 先日、ご報告した私どもの創立10周年を記念して行った「自分色コンテスト」での500通以上の応募のうち、一番多かったのは「青」でした。実は「青」は日本人が好む色で常に上位になる色です。ちなみにコンテストでは「ピンク」「黄」と続きました。それぞれに、その色のイメージと自分自身を重ねて表現してくださいました。また、総応募数の約4分の1は、オリジナル色名。最優秀賞に選ばれた作品も「未来色」でした。ご自身が今まで体験したこと、自分自身の心、思い出などを個性豊かに色で表現されていて、そのエピソードとともに「どんな色なのか?」と想像するのも楽しいものでした。

 同じ10周年の記念式典において、トヨタ自動車のピンクのクラウン誕生秘話をご披露いただきましたが、当日はパーティ会場にピンクのクラウンを展示していただきました。当日はクラウンの前で写真を撮る人の列が切れないほど。このクラウンのピンク色名は「モモタロウ色」といいます。テレビのCMで「ね、ももたろう!」と車に話しかけるシーンを覚えている方もいらっしゃるかもしれません。車の愛称から色名をつけたのか、または色名にちなんで車に名前をつけたのか・・・。このように、ある特定の色に特別な名前をつけることは、あちらこちらで見かけることができます。企業のコーポレートカラーにも多く、たとえばNTTドコモのコーポレートカラーは「ドモコレッド」、三菱UFJフィナンシャルグループのコーポレートカラーは「MUFJレッド」といった具合。どちらも赤なのですが、それぞれ違うオリジナルの色であり、オリジナルの色名を採用しています。

 ご存知のように、色は無限に存在しています。虹を見ても赤と橙の間に線が引いてあるわけではなく、赤からだんだんと橙に変化していて、その間には数えきれないほどの色が存在していることになります。加えて色を見る光の加減によっても、光の種類によっても色の見え方は違ってきます。毎日見ている物でも、その日によってほんの少し変化しているのかもしれません。『一期一会』という言葉がありますが、もしかしたら色も同じ色を見ることができないのかもしれません。

 私どもがお似合いの色をご提案するというパーソナルカラーの考え方の根底に、アンダートーンがあります。赤でも色の中に青みを感じるブルーアンダートーンと黄みを感じるイエローアンダートーンがある、というものです。赤ワインのワインレッドと神社の鳥居の朱赤がその代表的なもので、同じ「赤」でもワインレッドはクールな印象、朱赤は暖かみのある印象となります。インテリアでよく使われるベージュも、ローズブラウンが薄くなったベージュはブルーアンダートーン、キャメルが薄くなったベージュはイエローアンダートーンとなります。色は不思議なもので、奥深いものです。それだけに色彩の知識をもって色を使いこなせると、ご自身の仕事や生活に幅広く活用していただけると思います。よろしければ、勉強してみませんか。

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