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本紙紙面

2026年2月10日
【この人に聞く】
ルノン株式会社 商品管理部襖紙推進部 部長 渡辺達也氏
現代的デザインの襖紙シリーズ「ルノン凛」
和室減少の中でも新しい需要を創造


渡辺達也氏

 日本の住宅事情において和室の減少が止まらない中で、当社が2010年に発表した襖紙シリーズ「ルノン凛(リン)」が着実に出荷数量を伸ばしています。

 「ルノン凛」は朽ちた金属、錆の表情、土や焼き物の表層など、これまでの襖紙にはなかった現代的なサーフェスデザインを表現したシリーズで、2018年には第二集を発表、現在計41アイテムを展開しています。

 さて、そもそも和室とは、平安時代に現れた「寝殿造」を起源とした日本の伝統的な部屋のことを指します。その後は室町時代の武家社会で「書院造」につながります。当然ながらその時代の和室は、貴族や武家のお屋敷のもので、襖も庶民には遠い存在でした。それが江戸時代になると、茶道の影響を受けた「数寄屋造」が広がり、これまでの格式ばったものから自由な意匠が好まれるように変容し、それとともに町人文化が花開き、庶民も長屋などに住みはじめたことで和室は大衆化していきました。

 襖についても、貴族や武家時代の箔を使ったような豪華絢爛なものから、木版で文様を刷った「唐紙」などに変化、デザインも多様化していきました。明治時代になり西洋建築が入ってくると和室と洋室が混在する和洋折衷住宅が主流となり、襖紙も和洋折衷仕様に変化していきます。そして戦後から現在にかけて、和室そのものの減少という状況にいたっています。
 こうして歴史を振り返りますと、単に「和室」という言葉で一括りにはできず、その時代にあわせて変化してきたことが分かります。その変化に合わせて襖も変化してきました。

 現在の和室の減少も、時代の変化の1つだと捉えています。
 
 こうした状況を打開すべく、現在、業界団体や有識者を中心に和室をユネスコの無形文化遺産に登録しようという活動が行われています。伝統的な和室の文化を後世に残すとともに、日本文化の1つとして世界に発信するという取り組みで、とても注目しています。

 その一方、我々襖紙メーカーとしては、和室の減少という中でも新たな需要を開拓する必要があります。

 1つは襖紙の貼替え市場です。国内には築30年から50年を超える古い住宅がたくさんあります。そこには必ず和室があり、手つかずに残っている襖の貼替え需要が膨大に存在します。
 リフォーム・リノベーション市場も同様です。大掛かりな工事をせずとも既存の建具を再利用して襖紙を貼替えれば、空間の雰囲気を変えることができます。古民家を再生するケースも増えていますが、既存の躯体や建具などと組み合わせるには襖は最適です。
 さらにインバウンド需要が隆盛な中で、訪日外国人に日本文化に触れてもらうために和室を設えるホテルや旅館、民泊施設などが数多くあり、そこにも襖ニーズが出てきます。

 しかしながら、潜在需要があっても、そこに従来型の襖を提案しているだけでは襖に目を向けてもらうことはできません。

 こうした時代の変化を受け止め、現代のニーズを取り込み生まれたのが冒頭にご紹介した「ルノン凛」です。「ルノン凛」は洗練されたデザインだけでなく、専門家の監修のもとに開発した現代的なカラーリングも魅力となっています。ルノンでは、伝統的な日本文化としての襖だけでなく、現代のインテリアにもマッチする襖を提供することで、日本の誇る文化を次世代に残していきたいと思っています。

 (談)

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