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2024年12月12日
【この人に聞く】
一般財団法人大阪デザインセンター(ODC)専務理事 内海美保氏
「デザインの力を、経営の力に」を活動方針に掲げ
デザイナーと企業の架け橋に


内海美保氏

 大阪デザインセンターは、関西における産業デザインの中心拠点として、企業に対してはデザイン相談やデザイナーの紹介、デザイナーに対してはデザインを求める企業とのビジネスマッチングの機会提供を行っています。また関西のデザイン6団体が加盟する大阪デザイン団体連合(USD-O)の事務局も担当しています。

 さて、当センターの設立は1960年、大阪府、大阪市、大阪商工会議所が出資する日本で最初の公設デザインセンターとして開設しました。松下幸之助さんが、「これからはデザインの時代」と宣言したことをもあり、さまざまな製品にデザインを取り入れるべく、デザイン振興の最前線拠点として位置づけられました。設立以降、デザインに理解の深い企業やデザイナーに会員となっていただき、行政からの委託でデザイナーと企業のマッチングや補助金事業の支援などを外郭団体として実施してきました。

 その後、2008年に公益法人改革が行われた際に、公益財団法人か一般財団法人かの選択を迫られました。この時期には大阪府、大阪市とも直営のデザイン拠点を設立していたこともあり、当センターとしては独自の道に進もうという判断で一般財団法人として再スタートしたわけです。

 その中で運営の考え方も少しずつ変わっていきました。ビジネスマッチングも以前は公設だったため無償で行っていましたが、一般財団法人に移行してからは財政的に自立していく必要がありますから成約手数料をいただくようにしました。

 また会員に対するビジネス支援も積極的に考えるようになりました。ビジネスマッチングをより促進するためには、デザイナーや企業関係者が集まる場が不可欠です。そこで2021年に利便性の高い現在の船場センタービル内に移転、ここに会員が仕事や会議に使用できるコワーキングスペースを設置、また法人登記も可能としシェアオフィスとしても利用できる設備(ポスト、ロッカー、複合機)も用意しました。

 現在では会員制度も刷新、プレミアム・スタンダード・ライトの3種類として受けたいサービスによって選べるようにしました。
 一時は会員数もかなり減少していましたが、移転後は増加に転じ、多くの会員に打ち合わせや会議などで当センターを利用してもらえるようになりました。会員の職種業種もWEBデザイナーや写真家、中小企業診断士など多岐にわたるようになりネットワークの幅も広がっています。
 こうした改革の結果、主要事業であるビジネスマッチングの件数も増加してきました。

 マッチング依頼が増える一方、企業のデザインに対する意識の差も目立つようになってきました。そこで昨年から企業向けにデザイン経営支援もはじめました。これは単にデザイナーに製品をデザインしてもらうだけではなく、ターゲット選定、マーケティング戦略、販売方法などデザイン思考で経営全体のコンサルティングを行うというもので、会員のデザイナーや中小企業診断士と連携しながら進めています。
 この他、会員のデザイナーやスキルアップ支援としてセミナーやワークショップも積極的に実施しています。新たな施策も順次実行予定です。
 これからも「デザインの力を、経営の力に」という活動方針のもと企業とデザイナーに寄り添っていきたいと思っています。ご興味のあるデザイナー、企業関係者はご連絡ください。  (談)

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