見事なデザイン提案
さて、このような望月社長と淳子さんによるインテリアビジネスの考え方の、いわば集大成といえるのが今回のアワード受賞だ。
物件は岡山県の某結婚式場のリニューアル現場で、デザインに当たって大きなポイントとなったのが窓の上部に設置された排煙窓であった。
法律上、排煙窓を覆うことはできないため、リニューアル前は排煙窓から下にスワッグのデザインカーテンが設置されていたが、約5メートルある天井高に対してやや物足りない印象だった。
もちろんリニューアル工事でも排煙窓を覆うことはできないため、仕事を依頼された設計事務所からも、排煙窓から下に設置するようなデザインを指示されていたという。
そこで望月夫妻は指示通りのデザインに加えて、参考として今回のデザインスケッチを持参し打ち合わせに臨んだそうだ。当初、指示通りのデザインに難色を示していた施主だったが、スケッチの参考提案を大いに気に入り正式に決定した。
排煙窓を避けながらスワッグとカーテンを高い位置に設置した見事なデザイン提案
そのデザインであるが、写真をみても分かる通り排煙窓を囲むようにスワッグとカーテンが高い位置に配置されている。メインのカーテンは開閉させず装飾のみに使用、またスワッグは排煙窓が手前に開くためフリンジなどは使わず色違いの生地を二重に重ねることで華やかさを演出した。さらに排煙窓自体には目隠しのプラスターボードが貼られていたため、その上に装飾を施しレリーフのように見せることを提案した。一方で機能面については、アーチ状のペルメットの裏側に遮光のロールスクリーンを設置し補った。
このように法律上の制約をクリアしながらも顧客が要望する以上のデザインを提供、それが高く評価されて今回の受賞となった。
ちなみに、ベースデザインは淳子さんが描き、それを具現化すべくさまざまな課題をクリアしていったのが望月社長で、まさに共同作業によってつくりあげたデザインだった。
「デザインに非常にこだわったことで多くの方々に多大なご協力をいただきました。またこの現場に限らず取引先には無理をお願いすることも多かったと思いますが、今回の受賞でこれまでやってきたことが間違っていなかったと確信できました」と語る望月社長。今後も夫婦二人でジャズをセッションするように、こだわったカーテン提案を追求していくとのことだった。
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