特集

2009年5月31日配信

2009年05月31日配信
【インタビュー】 スペースデザインディレクター 南村佳男氏に聞く
新しい「デザイン」の形を提案 進化した「スタイルジャパン」にも注目
--メサゴ・メッセフランクフルト
インテリア、デザイン関連見本市として、年々その存在感を高めている「インテリアライフスタイル」。同見本市をプロデューサーの高田公平氏とともに、約10年間でここまで育て上げたのがスペースデザインディレクターの南村佳男氏である。
企画の方向性から会場設計までを総合的に手掛ける南村佳男氏に、今年の「インテリアライフスタイル」について話を伺った。

スペースデザインディレクター
南村佳男氏
――まずは「インテリアライフスタイル」の特徴、コンセプトをお聞かせください。

プロデュースの依頼を受けた当時、見本市というのは家具や雑貨、テキスタイルといったエレメントで区切る考え方が一般的でした。本来は、モノだけでなく、モノとモノの組み合わせや空間を通じてライフスタイルを提案すべきなので、従来のエレメント別ではなくライフスタイル提案型というコンセプトを取り入れたのが「インテリアライフスタイル」です。
もう1つ重要なことは、見本市の意思の存在です。多くの見本市には主催者側に意思がありません。出展者のブース位置が毎年同じだったり、出展回数が多いと良い場所を割り当てたりします。例えば「メゾン・エ・オブジェ」では、奥の方に良い出展者がいると、翌年は前に出てくるなど、主催者が出展者を良く見ていて、内容が良かったりコンセプトが新しいとすぐに評価します。また「エディトゥール」「ナウ」「シーン」など企画エリアを設け、その括りの中に一定グレードの製品を展開します。こういうことが見本市の意思ではないでしょうか。
「インテリアライフスタイル」でも、「スタイルジャパン」「クール」「インダステリア」という企画エリアを設定し、かつそのエリアのコンセプトに合った出展者を、こちらからアプローチして誘致するという形を続けてきました。
ライフスタイル提案型であること、そして企画エリアの設定という見本市としての意思の存在が、他の見本市と根本的に違うところだと思っています。

――今年の見どころについて。

やはり見本市の意思である特別企画エリアは見どころになりますが、中でもアトリウムで開催する「デザインパースペクティブ」と「スタイルジャパン」は、新しいコンセプトとして是非とも注目してください。

――「デザインパースペクティブ」はどういった企画でしょうか。

「デザイン+テクノロジー」という提案です。「インテリアライフスタイル」はデザインをメインとした見本市ですが、そのデザインにテクノロジーという要素を付加することで、デザインの括りをもっと広げていこうという考え方です。
一般的に「デザイン」というと、絵を描き、形をつくるといったような、非常に意味が限定されていますが、これからはもっと技術的なこと、あるいはエコロジー的な要素もデザインの範疇に入ってくる時代になるでしょう。それが購買意欲をかき立てるきっかけになるはずです。そういう切り口で「デザイン」の括りを大きく捉えて、出展者を集めました。
現在、不況なのは間違いありません。それをデザインとテクノロジーでぶっとばしてやろう、というのが、実は「デザインパースペクティブ」の裏テーマでもあるんです。

――「スタイルジャパン」については?

「スタイルジャパン」は、「インテリアライフスタイル」として最初につくった特別企画エリアで、日本の今のライフスタイルをプレミアムの高い製品で表現するというコンセプトで展開してきました。今回さらにワンステージ上のコンセプトとして、ライフスタイルにとって重要なファクターである「食」を組み合わせました。
エリアの中央にカフェとレストランを設け、家具や小物などをセッティングし、生活のエレメントと食を融合した提案を行います。
また落ち着いた雰囲気を演出するために、照明を従来の一割程度に落としてほぼ真っ暗な状態にし、かつ出展者のファサードを統一しました。イメージとしては、ヨーロッパの夜の街でカフェに座ると、その周りにショップのショーウィンドウが見える、といった形になります。
かなり思い切った試みですので、出展者にご理解いただくのが大変でしたね(笑)。

――会場構成もかなり変わったそうですが。

今回は例年1階にあった「スタイルジャパン」を4階とし、「クール」を1階に持って来ました。「デザインパースペクティブ」と「クール」のイメージが連動していることもあり「スタイルジャパン」と入れ替えた形ですが、これによって1階は比較的若者層をターゲットとしたバラエティーに富んだ商材が中心となり、4階は家具やテキスタイルなどよりプレミアムの高いものが集まるようなレイアウトになりました。毎年ご来場いただいている方は、随分変わったという印象を受けるかもしれません。
ちなみに、会場入口からすぐ左脇のエスカレーターで4階に上がり、「スタイルジャパン」を見ていただき、そのままL字に会場を進み、中央のエスカレーターからアトリウムを見下ろしながら1階に降りて、「デザインパースペクティブ」を見てから一階会場を巡るというのが、おすすめの視察コースです。

――最後に来場者に一言お願いします。

厳しい市場環境ですが、とにかく業界が元気を出して生活者と向き合わなければいけません。一緒になって落ち込んでいても仕方ありません。「インテリアライフスタイル」が、元気を出すきっかけになれば良いと思っています。

――ありがとうございました。

■「インテリアライフスタイル」見どころ情報
メイン企画「DESIGN PERSPECTIVE」 コンセプトは「デザイン+テクノロジー」
「Style Japan」 カフェレストランを併設し、食とライフスタイルを提案
若手デザイナーズ・エリア「neON」 国際色豊かに開催
レギュラー企画に昇格した「NORDIC LIFESTYLE」
5つの賞が用意される「interior lifestyle awards」
【インタビュー】 スペースデザインディレクター 南村佳男氏に聞く

インテリア ライフスタイルのホームページ
http://www.interior-lifestyle.com/
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