特集

2009年3月7日配信

2009年03月07日配信
MAISON&OBJET2009トレンドウォッチング--エディトゥール編
全体にエレガンスへ振りつつも、組み合わせを重視する傾向に
-海外情報
×   専門店の立場で見た「メゾン・エ・オブジェ2009」展の傾向を、2人の掛け合い形式で報告する。
西垣英樹氏
(decorators代表)
越川洋平氏
(オーブインターナショナル代表)

エディトゥールについて
越川 “エディトゥール”は仮設のホールを使っているのですが、初日に強風で屋根が壊れて、2日目のお昼までホールに入れませんでしたよね。これもトレンドの「ごちゃ混ぜに」と「ぶっ飛んでいる感じ」の演出なんですかね?
ヒデキ 絶対違う!
越川 ですよね~(笑)。それでは各エディターのブースで、目立ったところをご紹介していきましょう。まずはモダンデザインのトップブランド、ドイツのサコから。
ヒデキ
表に吊っていた綺麗にプリーツが取られたフリルが生地巾一杯に何層にも折り重なった生地は、ウルフモリツならではのトレンドを象徴するテクニカルな生地だったね。
越川
カッコいいですよね。ボクはそれと中に吊られていたブラウンの幾何学、民族的なデザインながら、遠くから見ても、誰が見てもわかる圧倒的な上質感に、ため息が漏れました。さすがサコだな~って感じ。
ヒデキ
英国人女優の「エリザベス・ハーレイ」を象徴的に押し出したJABは、大きなオープンスペースに馬を飾ったり、ドレスを飾ったり、ゴッテゴテのお祭り騒ぎ。どこよりも派手だったね。
越川
全ての生地がクラシックモチーフのメタリックでしたね。今までのJABとは違う感じですが、ハイムに出さずにメゾン1本に絞り、ド派手に行っちゃえ!みたいな気合が感じれれましたね。
ヒデキ
次に、面白かったのがタイのジムトンプソン。1940年代から80年代にかけてブロードウェイやハリウッドで衣装や舞台演出を手がけた装飾芸術家をフィーチャーして、新しいジムトンプソンの顔を作っていました。このシリーズの面白いのが、エレガンスに合わせればエキゾチックエレガンスになるし、モダンに合わせてもグー!なところ。
越川
毎年一番人気で、ブースに入れないほどの人で溢れているカサマンス。ここ数年は年々色が落ち着いてくる印象で、今年も意外な程シック。シルクに刺繍という生地を前面に押し出して、高級感をアピールしてました。3ブランド展開していて、他の2つではしっかり“らしさ”も残っていたので安心しました。
ヒデキ
コーディネートをし合えるエレガンス系幾何学のカットベルベットが印象的だったオズボーン&リトルだけど、カッコいいのいろいろあったね。
越川
ボクはO&Lグループでは、ロルカのこの生地が印象的でした。インドにインスピレーションを受けてデザインしたらしいけど、、ロルカらしい華やかさの中にエキゾチックが感じられ、目が釘付けになっちゃいました。それと、ヒデキさんがO&Lの生地を使ったジャケットを着ていたので、ブース内で大人気!皆に写真取られたり、スーパースターが来たかの様な大騒ぎにボクもビックリでした(笑)。
ヒデキ
さすがクリスチャンフィッシュバッハ、初めてコーディネートを受けられるファンの為に、お求めやすい価格帯のホームシリーズを展開してくれてたね。ストライプを中心に使いやすいラインナップで、これはいけそう!
越川
時代にも合ってますよね。それとボクは、ここでもまた民族モチーフが使われていたのにビックリ。アフリカの大地や女性のアクセサリーをモチーフにデザインされているらしいけど、さすがクリスチャンフィッシュバッハ、洗練されていて上品。大好きですね、これ。
ヒデキ
お前そういうの好きだな~。それから日本企業が頑張っていたよなぁ。初出展のマナトレーディングは着物作家の斉藤上太郎さんをフィーチャーし、禅スタイルでもなく、侘び寂びでもない新しい“ファーイーストスタイル”を打ち出していたね。
越川 ペニンシュラ東京の内装などを手がけられ、既に地位も確立されている斉藤上太郎さんだけに、インテリアテキスタイルで市場にどう評価されるかが楽しみですね。
ヒデキ
4年目の出展となる川島織物セルコンのスミコホンダシリーズ。2柄3色をラインナップに加え、従来の路線をさらにヨーロッパに浸透させているようだった。相変わらず技術的な評価も高かったようだね。
越川
3年目のサンゲツは、クロスとファブリックのコーディネーションも提示。海外向けブランドの“YASUKE”は、新作を数多く発表。どこと無く日本的ナチュラルの風通が特に人気があるようでした。
ヒデキ
今年は和紙のクロスをアイキャッチに使い、それを取っ掛かりにファブリックの引き合いも多く集める作戦が功を奏し、盛況だったようだね。
越川 メゾンには初出展の日恵装飾ですが、同時に“DANプロジェクト”も2号館に出展。インクジェットプリントのクッションやテキスタイルなど、注目されていましたね。
ヒデキ
弾クン自身がインドで撮った写真を元にプリントされた生地に、ある種“いっちゃっている”メタリカルな斬新な生地の組み合わせは、秀逸でカッコいい。コンランをはじめ、ビックネームの引き合いもあった様で、大化けしそうな感じ。先のビジョンも明確に持っているところが、可能性を感じさせてくれるね。
越川 ルベリやマルカートなどのイタリアのトップエディターが出ていなかったのが少し残念だった今年のメゾン・エ・オブジェですが、全体的にはやっぱり華やかで見ごたえも十分。エディトゥールを振り返ると、エスニックやエキゾチックなデザインが非常に多かったのが印象的でした。
ヒデキ ホント賑やかだったね。テントの屋根落ちちゃうし(笑)
全体的に以前よりは、より一層はっきりとエレガンスにふってきた今年のメゾン。やはり組み合わせが大事みたい。
なんだか面白くない部屋にアフリカン系モチーフで驚きを差し込んだりクラシックの部屋にとインド系インクジェットプリントのスパイス混ぜちゃったり。らしく見えない組み合わせに新しい何か「自分スタイル」見つけていくことがかっこいいんだろうね。
去年のトレンドで足かせとって、今年羽をつけてもらってって感じのメゾンでした。そうして、みんなモダンの次をを探してるんだけどね。

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