本紙紙面
2026年7月25日配信
【この人に聞く】富士工業(株)代表取締役社長 南光雅仁氏
素材散布壁紙で世界のマーケットに挑戦
環境に優しい壁紙の普及をめざす

南光雅仁氏
1960年(昭和35年)に、福井市で創業された、素材散布壁紙に特化した製造メーカーです。従業員数は現在25名、東京・芝に東京事務所兼ショールームを開設しています。
お陰様で当社は、今年で創業66年となり、「品質にまごころこめて」を合言葉に、100年企業を目指して日々努力を重ねております。2021年に「ふくいSDGsパートナー」に登録され、本年には、「福井を代表する企業100選」と「SMB EXPERT AWARD」にも選出され、当社がこれまで取り組んできました様々な環境活動や環境製品に対してご評価を頂いております。
当社は、蛭石を振りまいた天井用のシート製造から事業をスタートしておりますが、手加工から機械化を進め、蛭石壁紙の輸出と国内向けの聚楽調壁紙で事業の基礎を築いて参りました。最近では環境意識の高まりを受け、籾殻、クッション材の端材、ガラスビーズ、貝殻等のリサイクル材を使用した壁紙の開発に注力しております。また、当社の壁紙は水溶性接着剤のみを使用し、透湿性が高いという特徴を有しています。その為、意匠的な特徴以外に澄んだ空気感をもった空間となることも大きな利点です。
環境に配慮した事業活動と製品開発が当社の大きなテーマとなっています。現在当社では、日本国内で壁紙見本帳を発行する業界各社と取引をさせていただく一方で、オリジナル見本帳「ACCENT by Wallcoverings」を発行し、国内だけでなくアメリカ、ヨーロッパ、アジア、中東等にも輸出させて頂いております。
ACCENTは20年ほど前に発行しましが、元々は海外のお客様を開拓するツールとして始まりました。海外では、見本帳のない製造メーカーは、メーカーとして信用を得にくいという事情がきっかけでした。
素材散布壁紙を手掛けるメーカーは、世界でも5社程度で、珍しさもあって、どこに持って行っても一定のご評価を頂くことができ、その時ご採用を頂いたお客様とは現在でもお取引が続いておりまます。
見本帳は、20年間で2冊発行しておりますが、未だに2冊とも販売させて頂いております。そろそろ3冊目をと考えておりますが、当社ならではの挑戦的なアイテムを集め世界に挑戦すべく、いろいろ試行錯誤しているところで、今期中にはなんとか目処をつけたいと考えています。
当社はOEMメーカーという立場で、元々、社内に営業職はおりません。ここまで長きにわたって継続できたのは、見本帳が特徴的だったことと多くのお客様のお力添えを頂き少しずつ売れて来た稀有なケースだと思っています。
国内マーケットに目を向けると非樹脂系壁紙のシェアは1%ない状況にあり、大きな危機感とともに寂しさを感じています。素材散布、織物、和紙、箔等の素材系壁紙には素晴らしい壁紙がたくさんありますので、個性ある豊かな空間作りに役立てて欲しいと願っています。壁紙としては高価かもしれませんが、他部材と比較すると意匠性、施工性、そしてコスパも非常に優れた装飾材と言えます。
例えば、ACCENTのリサイクルガラスビーズを使用したLuminousは、素材感を生かした代表的な製品ですが、見るからに施工が大変そうで、高価な壁紙なので日本では売れないだろうなと思いましたが、百貨店やファッション系店舗等で予想外にご採用を頂いております。全体で見ればわずかな量かもしれませんが、当社にとっては大きな自信となりました。今後も当社ならではの製品開発に注力して参ります。
最後に、織物・紙壁紙工業会では、素材系壁紙のPR活動の一環として、壁装業界関係者向けにオープンファクトリーを、継続して開催しており、11月には当社で開催する予定です。また、当社としても、ご希望があれば、工場見学にも随時対応して参ります。お問い合わせいただければ幸いです。
富士工業のホームページ
https://www.accent-wall.com
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