特集

本紙紙面

2025年3月26日配信

【サンゲツデザインアワード2024】
大賞に『PACROUGH block』
((株)坂井印刷所/金丸 萌氏、吉田大貴氏)
印刷ロスの紙をチップ化し壁面タイルに加工

大賞の「PACROUGH block」
大賞の「PACROUGH block」

大賞の『PACROUGH block』<br> (金丸萌氏、吉田大貴氏)
大賞の『PACROUGH block』
(金丸萌氏、吉田大貴氏)

 (株)サンゲツ(近藤康正社長)では、さる3月6日、東京・内幸町の日比谷パークフロント「PARCs Sangetsu Group Creative Hub」において「サンゲツデザインアワード2024」の最終審査会、発表授賞式を開催。今回は“Joy of Design”をテーマに幅広く「壁面のデザイン」を公募、海外を含む応募総数528点から選ばれたファイナリスト16作品(うち6組が学生)の製作者がプレゼンテーションを繰り広げた結果、大賞に『PACROUGHblock』((株)坂井印刷所/金丸萌氏、吉田大貴氏)を選出した。

 この「サンゲツデザインアワード2024」は、2017年に「サンゲツ壁紙デザインアワード」としてスタートして8回目。2023年からは、壁紙に留まらない壁面のデザインを募集するコンペとして生まれ変わった。

 大賞の「PACROUGH block」は、パッケージの印刷工程で発生した廃紙をチップ化し、室内装飾用タイルに再生する提案。紙の質感も印刷カラーも後加工もそのままエッセンスに、温かみのある材質と素朴なテクスチャ、使用した紙チップごとで異なる表情を楽しめる(同作品は、「サンゲツ社員賞」とのW受賞)。

 (株)坂井印刷所は、1901年に創業された大阪市の印刷会社である。同社では月平均50t ほどの廃紙が発生する中から、通常のリサイクルへ回せない、箔押しや フィルム貼りのあるものなど約10t 程度を選別。今回のアワードに向けた作品では、シュレッダーで粉砕したチップを、手作業でのり材へ含浸したのち乾燥させ、印刷物用の断裁機でタイル形状に仕上げたという(強度などについては今後の課題であるとか)。

優秀賞の『うみのカケラ』
優秀賞の『うみのカケラ』

優秀賞の『うみのカケラ』(北村さくら氏)
優秀賞の『うみのカケラ』(北村さくら氏)

 また、優秀賞の『うみのカケラ』(北村さくら氏)は、撫でると柄が変わるスパンコールの服をヒントに、裏表の色が違うウロコのようなパーツを組み合わせ、撫でることで変化を楽しみ、無限の可能性を感じることが出来る壁をデザインした。

 「私はアナログなものを愛しています。デジタル社会が進む中で、直感的な手触りや手づくりの感覚というものは残していかなくてはならないと強く思っています」と語る北村さん、独自に“スパンコールのうろこ縫い”と名付けた技法で製作に当たったが、「アナログだからこそ滲み出る唯一無二の表情やアナログならではの不完全さや脆さ、有限さは人間にとって非常に重要なことだと思い、その感覚を忘れずに生きて欲しいという思いで制作しました。私自身の不器用さや、がむしゃらに作品と向き合う心が、オリジナリティを生み出し、今回制作した作品に現れているかもしれないです」とのことだ。




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