本紙紙面

【新工場レポート】ナニックジャパン

加工棟内
加工棟内

 それでは工場を紹介していくと、まず「加工棟」ではスラットのカットや穴あけなどの加工が行われる。

 ちなみに同社が昨年4月に発売した「スギシリーズ ウッドブラインド」は国産杉を使用しているが、栃木県内の製材所から角材を仕入れて、それをスライス加工してスラットにしていく。その加工がまさにこの「加工棟」で行われている。つまり「スギシリーズ ウッドブラインド」は、那須工場なくして実現できなかった製品ということである。

 また現在は、地産地消ニーズに対応すべく産地の指定によるウッドブラインド生産にも対応しているとのことだ(要相談)。

 次に「塗装棟」は、標準色73色、プラス特注色という圧倒的カラーラインナップを誇る同社のこだわりがつまった塗装が行われる場所だ。塗料の調合から行われており、高い技術が不可欠となっている。さらに塗膜のコーティングも塗布・研磨を複数回繰り返して行われている。繰り返すことにより輝きに深みが加わるという。

 最後の「組立棟」では、ヘッドレールの組み立てやスラットのセッティング、最終的な調整などが行われる。とりわけ重要となるのがスラットの検品である。検品ではキズや反りのチェックに加えて、色揃えも行われている。同じ塗料を使っても、木材ごとに塗料の浸透具合が異なり、それによって色も微妙に変わってくる。同一品番の中でも近い色を揃えることで、仕上がりがより美しくなるというわけだ。

 このように「森の中の工場」は、ウッドブラインドやウッドシャターといったウッド系製品を一貫体制で製造できる国内唯一の工場となっているのだ。

倉庫棟内
倉庫棟内

 もちろん工場建設時から取り組んできた、自然・生物と共存する健康な森林に再生するプロジェクトは現在も進行中だ。工場のオープンから約2年で、敷地内の森林ではさまざまな植物や小動物が生まれるなど荒廃した土地が見事に再生しつつある。今回行われた植樹もその一環で、いずれは植樹した杉でウッドブラインドを生産するという壮大なビジョンも描かれている。

 同社では「未来へ紡ぐ持続可能な森林の創生」をコンセプトに、今後も積極的に植樹を行うなど森林を育てることを実践し、持続可能な環境サイクルの形成を目指していくとしている。

 なお同社では、「森の中の工場」見学・記念植樹を随時受け付けている。

ナニックジャパンのホームページ
https://www.nanik.co.jp

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