本紙紙面

2024年4月11日配信

【海外トレンド情報】
「2024最新パリホテルから読み解くインテリア」 No.2
(株)インテリアネットワークス 森澄子

①壮大なエントランス
①壮大なエントランス



SO/Paris パリ4区
ファッションと水辺の旅、
アートを活用した自然環境保護への提案


 セーヌ川沿いに建つホテル。ここはパリ市長のアンヌ・イダルゴ氏が、2015年に立ち上げたプロジェクトの一環として再構築されました。
近隣の活性化を目的として、パリの新しい中心地になるようにと複合機能を統合した建物で、44,000平米の敷地の中にオフィス、住宅、ショップ、市場、託児所、プール、五つ星ホテルが集合しています。

 1960年の建物は、フランスのデザインスタジオ「RDAI」によって建築デザインされました。この会社は世界中のエルメス・ブティックをデザインしています。

②ユニフォームはニットウェア
②ユニフォームはニットウェア

③アップサイクルの現代アート
③アップサイクルの現代アート

 堂々とした現代的な柱、マーブルの大理石の歩道が印象的な壮大なエントランスです。中へ進むとパリ建築と近くのセーヌ川を歩く情景が、徐々に浮かび上がってきます。
 壁の琥珀色のガラスパネルには、オスマン建築をイメージさせるように、ブロックのようにラインが入れられています。

 全体がセーヌ川を渡航する船のようなイメージ。柱は、セーヌ川に掛かっている橋のアーチのようにも感じられます。
 レセプションやポーターのユニフォームは、ファッション界の新生、メゾン・パトゥのディレクター、ギョーム・アンリがデザイン。
 遊び心ある快適なユニフォームで、ホテル業界では前例のないニットウェアになっています。
 セーヌ川が近くにあるのでマリンのモティーフ。セーヌ川を渡航する潜水隊のように帽子もあります。

 レセプション背景にある長方形の液晶画面には、いろいろなアーティストのデジタルアートが映し出されています。

 このホテルには、122点の芸術作品があります。最初に目に飛び込んでくる現代アートのアーティストは、ニール・ベロウファ。題名は「ル・ファール・ド・パリ」、比喩的な表現として、「パリの灯台」といった感じでしょうか。③④
 カラー樹脂の作品は、遠くから見ると自然のモティーフのように見えますが、実はリサイクル、捨てられた物で作られています。
包装紙、ビール缶、ピザの箱などが使われ、隠された廃棄物。リサイクルのための詩的な解決策を提案したアートです。

④アップサイクルの現代
④アップサイクルの現代

⑤インスタレーションスペース、体験型アート
⑤インスタレーションスペース、体験型アート

 インスタレーションスペース、体験型アート。ロビーで、このバーチャル・リアリティと、サウンド体験を試すことができます。


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